2020年11月19日

天気図を書いてみよう?

皆さん、毎日天気予報を見ますよね? 天気予報で出てくる「天気図」(最近は天気図を出さない天気予報が増えてきましたが…)自分で描くことができるのをご存知でしょうか?

天気図を自分で描くのに必要な道具は、「天気図用紙」「鉛筆」「ラジオ」たった3つだけです。
天気図用紙は専用の用紙を販売していますnet販売もありますし、あとは、鉛筆とラジオだけです。

どうやって、天気図を描くのでしょうか?

AM放送のNHK第2放送で1日1回、12時(日本時間)発表分の天気を、16:00~16:20に放送されている「気象通報」という番組があります。これを聞きながら、放送される気象データを、天気図用紙に記入していくという作業を行います。

天気図用紙.PNG

「気象通報」は、観測地の名前と風の向き/強さ・天候・気圧・気温及び高気圧や低気圧の位置・前線の位置・大まかな等圧線の位置などを淡々読み上げるだけの味もそっけもない放送ですが、これを天気図用紙に写し取ることで、「天気図」が書けるのです。(読み上げ速度が結構早いので、写し取るには少し練習が必要です。また、等圧線を書込む作業に少しコツが必要でもあります)

これに何の意味があるの?と言われると難しいのですが、定期的に天気図を作成することで、大まかな天気の変化が予想できる様にはなります。

また、私は山に登るのですが、入山中は天気図を書いて翌日の行動を決めることもよく行いました。(一度、台風の接近を天気図で予測して、早めに下山したために、道路崩壊で山に閉じ込められるのを避けられたことがあります)

現在の天気予報は天気図だけで行っているわけではなく、他のファクターを加味してコンピュータの計算を使っての精度の高い予報ですが、こんな簡単な作業でも気象の変化を感じ取ることができます。

自然現象の面白さを垣間見ることができる、面白い体験になるのではないでしょうか。

記事投稿:池田
ラベル:天気図
posted by towa at 16:34| 気象 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月09日

台風シーズン到来!

今年もまた台風のシーズンが到来しました。

先日の台風10号で被災された方には、心よりお見舞い申し上げます。

さて、年々規模が大きくなってきているようにも思える「台風」ですが、よく報道で「大型で並の勢力の台風XX号は・・・」といった言葉を耳にしますが、どういう意味なのでしょうか?
台風.JPG

① 台風の大きさ
・超大型:強風域(風速15m/s以上:黄色いところの)の半径が800㎞以上
・大型:強風域の半径が500㎞~800㎞未満
・階級なし:強風域の半径が、上記に満たないもの

という分類がなされますが、大きさが大きいからと言って、必ずしも強い(大きな被害が出そうな)台風とは限りません。(でも、半径800㎞だと、日本列島全域がほぼ含まれる大きさになります

台風の被害の中心は風と雨、そこで、風の強さを表す表現が「勢力」です。

② 台風の勢力
・猛烈な:最大風速(10分間の平均)が54m/s以上(木が根こそぎ倒れる、木造家屋倒壊の可能性)
・非常に強い:最大風速44m/s~54m/s未満(小石や看板が飛ぶ、立っていられない)
・強い:最大風速33m/s~44m/s未満(瓦屋根が壊れる、車が転倒する)
・階級なし(並ということも):上記の最大風速以下(17m/s~33m/s)

ちなみに「台風」とは北西太平洋または南シナ海に存在し、最大風速(10分間の平均)が17m/s以上のものを「台風」と呼びます。
風は、気圧の高いところから低いところに向かって吹きますので、台風の中心気圧が低いほど強い風が吹く(勢力が強い)ことになります。

③ 雨
これは、一概には言えないところですが、基本的には台風から吹く風の温度と、日本上空の気温差が大きいと大雨になりやすいようです。
特に日本付近に前線(前線は暖かい空気と冷たい空気の境目です)があるような場合、大雨で大きな被害が出る場合があるので、注意が必要です。
一般的な傾向として
・台風進路の北から北東に位置する場所
・高い山の付近もしくは山地の南から南東(山地は気温が平地に比べて低いので)
といった傾向があるように思います。(個人的な意見です…)

特に大型の台風では、台風の中心か離れていても、状況によっては、大雨になることがありますので、重運注意が必要です。

台風の研究については、日本は世界で最も進んでいるといってもよいかもしれません。
それでもやはり自然の事、何があるかわかりません。

「日頃の備え」こそが、重要なことの様に思えます。


記事投稿:池田

ラベル:台風
posted by towa at 16:27| 気象 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月05日

「転倒ます型雨量計」ってどんな仕組み

転倒ます型雨量計は、多くの観測現場で使われている、雨量を自動計測する装置です。
構造は、簡単に言って「鹿威し」です。
皆さんも、一度は目にしたことがあるでしょう! 水が溜まると竹の筒が傾いて、「カコン」って音のする、あれ です。


japan_shishiodoshi.png

要は、これが2つ付いていて、一定の水が溜まると交互に傾く仕組みです。(0.5㎜や1.0㎜等)
雨水が溜まる「ます」(鹿威しの竹筒)が交互に傾く(転倒)するので「転倒ます型」と言います。
ますの転倒数を、リードスイッチや磁気センサー等で、測定して、雨量データとして取り出す仕組みです。
転倒ます.gif

ちなみに、私の自宅にも雨量計がおいてあります。無電圧接点式をPCでログが取れるようにしてあります。

他に、風速計と、使っていない温湿度計があるので、ラズパイを使って、雨量・風速・温湿度のデータロガーを計画中です。(欲を言えば、風向と気圧も欲しい…)

弊社では、ラズパイのお引き合いもご相談に乗れますので、お問い合わせしてみてください。

記事投稿:池田

posted by towa at 10:19| 気象 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月31日

豪雨ってどんなイメージ?

最近は、梅雨末期の豪雨が恒例の様になってきています(被害にあわれた方、ご苦労様です)が、よく耳にする「1時間降雨量XXX㎜」て、どういう意味なのでしょう?

これは、一般的な雨量計(転倒ます型が主流)に溜まる雨水の高さを表しています。
雨量計の口径は、一般的に20㎝で、面積はπ(パイ)10^2=314cm^2です。

ここに1㎜雨水が溜まると、その体積は31.4㎝^3=31.4cc これが「1㎜」の雨量です。
何だ、たったそれだけ?と思わないでください。たった314㎝^2の範囲に31.4㏄の水が溜まるのですから、いったい町や県単位ではどれだけの量になるか想像してみてください。

例えば、25m×15mのプール(375m^2)に300㎜の雨が降れば、112tもの水が溜まるのです。

実際20㎜/hでもどしゃ降り、50㎜/hを超えれば、前が見えなくなる程です。水害や土砂崩れなど、自然災害の絶えない日本。自分で自身の身を守ることが必要になってくる時代なのでしょうか…

次回:「転倒ます型雨量計」ってどんな仕組み?

記事投稿:池田

posted by towa at 21:48| 気象 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする