2021年08月24日

前線と大雨

今年の夏は、いつもより前線の活動が活発で、大雨が降るケースが多いように思います。
これも温暖化の影響なのでしょうか?
また、大雨で被災された方、お見舞い申し上げます。

さて、「前線の活動が活発になっていて」という言葉を報道でよく聞きますが、そもそも前線とはどういうものなのでしょうか?
前線とは、一言で言ってしまえば、「暖かい空気」「冷たい空気」の境目です。

北半球では、北極に近い北に冷たい空気の塊が、赤道に近い南側に暖かい湿った空気の塊があり、ちょうど日本のある温帯域でぶつかっています。その境目を前線と呼んでいるのです。

前線断面.JPG

前線は反時計回りに移動しています(北半球では)また、暖かい空気と冷たい空気どちらが優勢かということにより、前線の種類が決められています。

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温暖前線:
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暖かい空気が優勢で、冷たい空気を「押す」様に移動しています。
温暖前線が近づくと、気温・湿度が高くなり、気圧は下がります。降水の範囲は前線から300km程度で、前線に伴う雨は、通常、絶え間なく降水の強さもあまり変化しない事が多いとされます(しとしと雨)

寒冷前線:
寒冷前線.JPG
冷たい空気が優勢で、温かい空気の下に潜り込むように移動しています。
寒冷前線が近づくと気圧は下がり始め、気温と湿度は前線の通過後に急激に下がります。
降水の範囲は数10~100km程度と温暖前線に比べ狭いですが、前線に伴う雨は、雷や雹・突風などを伴い、急激にひどくなる事もあり注意が必要です。

停滞前線:
停滞前線.JPG
暖かい空気と冷たい空気の勢力が拮抗している場所に発生します。
前線の動きが遅く、長時間雨が続き災害の引き金になる場合があります。梅雨や秋の長雨に時期によく見られますが、季節を問わず現れます。
直近の豪雨災害(台風除く)では、この前線が影響したケースが見られます。

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その他に、寒冷前線が温暖前線に追いついて発生する、閉塞前線 等があります。

上記の様に、前線の種類によって、雨の降り方に特徴があります。天気図や天気予報で、どのような前線が近づいているのかを知ることによって、降雨災害を予測して準備をすることが可能になるのではないでしょうか?

皆さんも、天気予報を見る際に、参考にしてみてください。


記事投稿:池田

ラベル:前線 大雨
posted by towa at 14:40| 気象 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月13日

東京で雪が降るのは春先

今年は、日本海側で大雪になるケースが頻繁に起こっています(降雪被害に合われた方には、ご苦労様です)が、東京は連日晴天続きで、雪が余り降りません。

東京での降雪が報道されるのは、3月から4月初めになってからが多くなっています。

なぜ東京では、春先の降雪が多いのでしょうか?

雪が降るか降らないかは、その時の気温や、大気の湿度などの条件が揃う必要がありますが、低気圧の進路を見ることでも、大まかな予測が可能です。

寒さのピークの1月~2月にかけては、日本海上にある低気圧が、日本の東海上に出て、発達します。

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このような場合は、日本海側での降雪となり、東京などの太平洋側では、雪や雨は降りません。

しかし、春が近づいてくる3月~4月初めに掛けては、低気圧が日本の南海上を通過するようになります(南岸低気圧とも言います)

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この時期の低気圧が、八丈島付近を通過するとき、東京でも積雪となるような雪が降る場合があります。

もっと暖かくなると、雨になってしまいますが、まだ上空は冬の気温ですので、雪になるのです。

東京ではほんの少しの積雪でも、交通に障害が出るなど大騒ぎになりますが、天気図を観察することで、雪に対して事前に準備することができる様になるのではないでしょうか。



記事投稿:池田

posted by towa at 14:10| 気象 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月19日

天気図を書いてみよう?

皆さん、毎日天気予報を見ますよね? 天気予報で出てくる「天気図」(最近は天気図を出さない天気予報が増えてきましたが…)自分で描くことができるのをご存知でしょうか?

天気図を自分で描くのに必要な道具は、「天気図用紙」「鉛筆」「ラジオ」たった3つだけです。
天気図用紙は専用の用紙を販売していますnet販売もありますし、あとは、鉛筆とラジオだけです。

どうやって、天気図を描くのでしょうか?

AM放送のNHK第2放送で1日1回、12時(日本時間)発表分の天気を、16:00~16:20に放送されている「気象通報」という番組があります。これを聞きながら、放送される気象データを、天気図用紙に記入していくという作業を行います。

天気図用紙.PNG

「気象通報」は、観測地の名前と風の向き/強さ・天候・気圧・気温及び高気圧や低気圧の位置・前線の位置・大まかな等圧線の位置などを淡々読み上げるだけの味もそっけもない放送ですが、これを天気図用紙に写し取ることで、「天気図」が書けるのです。(読み上げ速度が結構早いので、写し取るには少し練習が必要です。また、等圧線を書込む作業に少しコツが必要でもあります)

これに何の意味があるの?と言われると難しいのですが、定期的に天気図を作成することで、大まかな天気の変化が予想できる様にはなります。

また、私は山に登るのですが、入山中は天気図を書いて翌日の行動を決めることもよく行いました。(一度、台風の接近を天気図で予測して、早めに下山したために、道路崩壊で山に閉じ込められるのを避けられたことがあります)

現在の天気予報は天気図だけで行っているわけではなく、他のファクターを加味してコンピュータの計算を使っての精度の高い予報ですが、こんな簡単な作業でも気象の変化を感じ取ることができます。

自然現象の面白さを垣間見ることができる、面白い体験になるのではないでしょうか。

記事投稿:池田
ラベル:天気図
posted by towa at 16:34| 気象 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月09日

台風シーズン到来!

今年もまた台風のシーズンが到来しました。

先日の台風10号で被災された方には、心よりお見舞い申し上げます。

さて、年々規模が大きくなってきているようにも思える「台風」ですが、よく報道で「大型で並の勢力の台風XX号は・・・」といった言葉を耳にしますが、どういう意味なのでしょうか?
台風.JPG

① 台風の大きさ
・超大型:強風域(風速15m/s以上:黄色いところの)の半径が800㎞以上
・大型:強風域の半径が500㎞~800㎞未満
・階級なし:強風域の半径が、上記に満たないもの

という分類がなされますが、大きさが大きいからと言って、必ずしも強い(大きな被害が出そうな)台風とは限りません。(でも、半径800㎞だと、日本列島全域がほぼ含まれる大きさになります

台風の被害の中心は風と雨、そこで、風の強さを表す表現が「勢力」です。

② 台風の勢力
・猛烈な:最大風速(10分間の平均)が54m/s以上(木が根こそぎ倒れる、木造家屋倒壊の可能性)
・非常に強い:最大風速44m/s~54m/s未満(小石や看板が飛ぶ、立っていられない)
・強い:最大風速33m/s~44m/s未満(瓦屋根が壊れる、車が転倒する)
・階級なし(並ということも):上記の最大風速以下(17m/s~33m/s)

ちなみに「台風」とは北西太平洋または南シナ海に存在し、最大風速(10分間の平均)が17m/s以上のものを「台風」と呼びます。
風は、気圧の高いところから低いところに向かって吹きますので、台風の中心気圧が低いほど強い風が吹く(勢力が強い)ことになります。

③ 雨
これは、一概には言えないところですが、基本的には台風から吹く風の温度と、日本上空の気温差が大きいと大雨になりやすいようです。
特に日本付近に前線(前線は暖かい空気と冷たい空気の境目です)があるような場合、大雨で大きな被害が出る場合があるので、注意が必要です。
一般的な傾向として
・台風進路の北から北東に位置する場所
・高い山の付近もしくは山地の南から南東(山地は気温が平地に比べて低いので)
といった傾向があるように思います。(個人的な意見です…)

特に大型の台風では、台風の中心か離れていても、状況によっては、大雨になることがありますので、重運注意が必要です。

台風の研究については、日本は世界で最も進んでいるといってもよいかもしれません。
それでもやはり自然の事、何があるかわかりません。

「日頃の備え」こそが、重要なことの様に思えます。


記事投稿:池田

ラベル:台風
posted by towa at 16:27| 気象 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月05日

「転倒ます型雨量計」ってどんな仕組み

転倒ます型雨量計は、多くの観測現場で使われている、雨量を自動計測する装置です。
構造は、簡単に言って「鹿威し」です。
皆さんも、一度は目にしたことがあるでしょう! 水が溜まると竹の筒が傾いて、「カコン」って音のする、あれ です。


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要は、これが2つ付いていて、一定の水が溜まると交互に傾く仕組みです。(0.5㎜や1.0㎜等)
雨水が溜まる「ます」(鹿威しの竹筒)が交互に傾く(転倒)するので「転倒ます型」と言います。
ますの転倒数を、リードスイッチや磁気センサー等で、測定して、雨量データとして取り出す仕組みです。
転倒ます.gif

ちなみに、私の自宅にも雨量計がおいてあります。無電圧接点式をPCでログが取れるようにしてあります。

他に、風速計と、使っていない温湿度計があるので、ラズパイを使って、雨量・風速・温湿度のデータロガーを計画中です。(欲を言えば、風向と気圧も欲しい…)

弊社では、ラズパイのお引き合いもご相談に乗れますので、お問い合わせしてみてください。

記事投稿:池田

posted by towa at 10:19| 気象 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする