2021年02月17日

ネイピア数って何 ①

前回のBlogで「自然対数の底はe(ネイピア数=2.71828…)」になると書きましたが、そもそも「ネイピア数」って何なのでしょうか?

ネイピア数の名前の由来は、ジョン・ネイピアというスコットランド人によって存在が明らかにされたことに依ります。
ネイピア数を数学的に解明し、厳密に見出したのは、スイスの数学者 ヤコブ・ベルヌーイ と言われています。

ネイピア数は、どの様にして発見されたのでしょうか?
有力なものに、お金の利息計算(複利計算)から発見されたとする説があります。

例えば、1万円に、年利100%の利子が付く預金があったとします(本当にあったらすごい…)
年利100%なので、1年後には2倍の2万円になりますよね。

e1.png

ここで、「年利50%でいいから、半年に1回利子をつけて、複利運用してくれ」といったとします。

e2.png

すると、半年で1.5倍になるので1.5×1.5=2.25倍になります。

おお!こりゃ良いわ。それじゃどんどん利子のつくタイミングを短くしていけば、どんどん利子が付くね!
ということで、タイミングを短く(nを大きく)していくと…

e3.png

利子のつく倍率は、大体2.71倍程度で落ち着いてしまって、利率が大きく変化しなくなるのです。

これを数式で表すと

e4.png

と表せ、この数式で表される数をe:ネイピア数(無限に続く超越数なので、記号で表すしかない)としたのです。

ネイピア数:e がどのような物かが、少しは分かって来たのではないでしょうか?
このネイピア数:e は、実際には、身の回りの現象に頻繁に登場してくる数なのです。

次回は、自然現象の中にみられるネイピア数:e について少し話せればと思います。


記事投稿:池田

posted by towa at 16:57| まめちしき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月29日

ドクダミ

春になってくると、家の庭を覆いつくすほどに大量のドクダミが生えます。
踏むと臭いし、抜いてもまたすぐ生えて来るしで、どうにも困りものです。

dokudami02_01-1.jpg

ところで、ドクダミって毒があると思っている方は、おられますか??
「ドク」ダミで、あの臭いですからね!
ドクダミには毒は在りません。元々の意味は「毒溜め」、「毒を溜めて病気を治す」という意味で、薬草なのです。
しかも、古くから薬効が認められた “由緒ある“ 薬草です。
効能は:胃腸病、食あたり、下痢、便秘、利尿等、多くあり 別名「十薬」とも呼ばれます。

こんな薬草が庭一面に生えているので、食べてやろうと思いました。
生では、臭いがきつく無理そうなので、熱湯で湯がいて(熱をかけると臭いが取れると聞いたので)てんぷらにしてみました。

結果は…やっぱり無理です💦(臭いが完全にはなくならず口いっぱいに例の臭いが!)

私の無謀なトライは別にして、最近では農作物として栽培をしている農家があるそうです。なんでも、手間いらずで(ほっといても良く生えますから)耕作放棄地の再利用などで注目されているとの事です。

ドクダミに限らず、よく見かけるいわゆる「雑草」にも、薬草が多くあります。
オオバコ(利尿・消炎)イタドリ(止血・痛み止め)タンポポ(健胃・利尿 根を焦がしてコーヒーの代わりにすることも)ヨモギ(止血・消炎)などなど。


世の中、役に立たないと思った物にも、何かしらの意味があるものなのですね、いやいや勉強になります…


記事投稿:池田

posted by towa at 14:53| まめちしき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月25日

対数関数ってどんな関数?


また、数学の話で恐縮です・・・

「他の人みたいに面白い話を書け!」ですよね?

でも、また数学の話です
高校で習う数学にはいろいろありますが、対数関数(log)がありますね。
この関数は、中学までに習ってきた「関数」とは違って、ちょっとわかりにくかったのではないでしょうか?

例えば 2^3=M という式があったとします…
これは、「2を3乗したらいくつになるか」ということで、答えは M=8となりますね

Log1.png

今度は指数(3乗の部分)について考えてみます。
「2を何乗したら8になるか」⇒これを表す数が対数(log)になります。

log2.png

上記の関係を一般的な式で表すと・・・

log3.png

ここの a は「底」と言い、底が10の対数を「常用対数」と呼び、底がe(ネイピア数=2.71828…)の対数を「自然対数」と呼びます。

さて、指数を対数で表せることが解りましたが、どんなメリットがあるのでしょうか?

例えば、y=10^a という関数があったとします。これをグラフで表すと…

log4.png

yの値がとてつもなく大きくなってしまい、見づらいグラフになってしまいますが、これを対数関数で表すと

log5.png

の様に、直線で表すことが来ます。こうすることで、元になったデータの分析や、予想が容易になりますし、計算も楽になります。

高校で習う数学は、サイエンス(科学)を理解する上でも必要な知識です。数学というツールを使って、世の中の現象を理解する事=サイエンスと言えるのではないでしょうか。


記事投稿:池田
ラベル:対数関数  Log
posted by towa at 16:18| まめちしき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月07日

時刻を表すには?


時刻を表すには、時間の基準になる電気的な振動を発生する必要があります。

この電気的な振動を発生させるデバイスの1つが水晶振動子や発振器です。

「水晶振動子」は、電圧をかけることにより一定の周波数で機械的に「振動」します。

この振動を電気信号として取りだせるようにしたものが「水晶発振器」と呼ばれるものです。

水晶(crystal)」は人工的に作られた石英の結晶で、切り出される形状や方向で振動する周波数が決まります。

さて、時刻(時計)を表示するために使われる振動子の周波数の代表的なものに、“32.768KHz”があります。なぜこんな半端な周波数が使われるのでしょうか?

32.768KHzというのは、「1秒間に32768回振動」すると言うことですので、逆に言えば、「32768回の振動をカウントしたら1秒」ということになります。

以前ブログで書いた、2進数で考えると32768=1000000000000000(2進数)となり16bitの場合、「一番左が“1”になったら1秒」とできるため、ディジタルでの信号処理が簡単にできるのです。

では、8bitや32bitでもよいのでは?と思いますが、切り出す水晶の大きさや、精度を考えた場合、16Bit幅とするのが一番適当であることから、32.768KHzという周波数がスタンダードになっています。

水晶振動子は、切り出される形状・方向で固有の周波数が決まってしまいますが、可変容量のダイオードを接続して、発信周波数を変えることのできる、電圧制御水晶発振器 (VCXO)といったデバイスも存在します。

水晶振動子・発振器は、時刻を作る他にも電子デバイスの動作タイミングをそろえるための「基準クロック」として使われたり、特定の周波数の信号を通過させたりノイズを除去するための「フィルター」として使われたりと、用途は多岐に及んでいます。



弊社が取り扱っている新日本無線では、発信周波数安定化用ICや、VCXO用逓倍IC等を取り扱っています。

水晶発振子等のご紹介もできますので、お問い合わせください。


記事投稿:池田
posted by towa at 15:37| まめちしき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月15日

通信の規格について

Ethernet・無線LAN・Bluetooth… 今や、情報ネットワークの接続が当たり前になっている世の中です。

情報通信が始められた初期には、通信の方法は機器によって決められ、統一された規格やルール(プロコトル)が無く、今の様に色々な機器に接続することは出来ませんでした。

そこで、「通信方法の規格を決めて、規格に従った機器が自由に通信できるようにしよう」と考えられ、その規格が整備されました。

通信の規格として、世界的にスタンダードとなっているのが、IEEE(アイ・トリプル・イー 米国電気電子学会)が策定した規格です。

IEEEの通信の規格は、IEEE802.xx(xxはさらに細分化するための記号)で表され、Ethernetの規格であれば「IEEE802.3xx」とし現在は、IEEE802.3an(10GBase-T)まで整備されています。

無線通信の場合も同じく規格が整備されており

・無線LAN:IEEE802.11xx(xにはa,b.c.g.n等が入り、より細分化される)
・Bluetooth:IEEE802.15.1

などが、策定されています

規格が策定されたことにより、その規格に従って設計された機器は、お互いに自由な通信ができるようになりました。
(電子業界の皆さんであれば、一度は「イレブンb」だとか「イレブンn」などの言葉を聞いた事があるのではないでしょうか)

全く便利になったものです、私などは、PC機器を触り始めた時には、音声モデム(データーを音にしたり音からデータに変換したりする機器)で一般電話回線を使って通信したことを思えば、夢の様です

通信に限らず、電子機器の規格化・標準化は日々進んでいますから、これからは、もっと便利に、また自由になっていくのではないでしょうか


記事投稿:池田

ラベル:通信規格 IEEE
posted by towa at 10:08| まめちしき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする