2021年03月25日

フレミングの左手の法則

皆さんは、中学の理科で、「フレミングの左手の法則」を習ったのを覚えているでしょうか?

「磁界内の導体に電流を流した時のそれぞれの方向の関係」を表したもので、よく、左手の指を使って表すため、こう呼ばれるものです
とは言うものの、何のことを言っているのかさっぱりわかりません。そもそも、電流も磁界も目に見えないのですから・・・
フレミング.PNG
しかしこの法則は、モーターやダイナミックスピーカー(磁石とコイルで駆動するスピーカー)等、身近な機器に応用されています。

それでは、この法則を目にみえる様、モーターの原理を使って実験をしてみましょう。
使うのは、乾電池(単2)・足を延ばしたクリップ2本・エナメル線(回転するコイルを作る)・永久磁石だけです。
フレミング3.jpg
エナメル線を加工してコイル状にします(直径1.5㎝程度)両端を電気が通るよう、紙やすりでエナメルを剥きます。この時に一端はエナメルをすべて剥がしてしましますが、もう一端は半部だけ剥きます(ここポイント)
フレミング4.jpg
これをセロテープで組み立てます。
フレミング2.jpg
コイルを少し手で回してやると…


このように、勢いよく、廻り続けます!(コイルの巻き数や、磁石からの位置、電圧をUPする等、色々試してみると面白いですよ)

これと、「フレミングの左手の法則」との関連は、下の図のようになり、電流の向き・磁界・力(コイルの回転)がそれぞれ直角の位置関係になっているのが、解ります。
フレミング5.jpg
手で表すより、解りやすいですよね?(これ、子供に見せると大喜びです…)

フレミングの法則(左手の法則の対をなす、右手の法則もあります)は、電磁気学のほんの入り口ですが、実際に実験してみると、より理解が深まりますよね!

電磁気学は、高度な数学を使う難しい学問ですが、興味があったらちょっと覗いてみてはいかがでしょうか?



記事投稿:池田


posted by towa at 15:20| まめちしき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年03月16日

山の上にサンゴの化石が!

東京営業所のある関東地方には、「丹沢山地」と呼ばれる、標高1500m~1600mの山があります。
東京から比較的近く、手軽に登山を楽しめるコースもあり、親しまれています。

この山の頂上付近で、南の海でしか見られないサンゴの化石が発見されることが良くあります。
なぜ、こんな標高の高い場所で、海の生物の化石が発見されるのでしょうか?

それは、その場所が、大昔には海であったことを意味します。

日本の南には「フィリピン海プレート」と呼ばれる大きなプレートがあり北西方向にゆっくり移動しています。
このプレート上に発生した海底火山(のちに丹沢山地・伊豆半島になる)が、日本列島に衝突して現在の様な地形が形成されました。

① プレート上に発生した海底火山(丹沢山地)が日本列島に衝突する
② 衝突した海底火山(丹沢山地)に、さらに海底火山(伊豆半島)が衝突する
③ 衝突のエネルギーで、先に衝突していた海底火山(丹沢山地)が隆起して山になる
④ 海底火山の周辺に合ったサンゴも同時に隆起する
⑤ 山の頂上付近でサンゴの化石が発見される

といったプロセスが現在最も有力な説とされています。

tannzawa.gif

丹沢の例とは若干プロセスが違いますが、ヒマラヤ山脈も太平洋上に在った、インド亜大陸がユーラシア大陸に衝突した衝撃で隆起したものです。
ですから、ヒマラヤでも海の生物の化石が発見されています。

「動かざること山のごとし」と言いますが、地球は常に動いている「生きた」惑星なのです。


記事投稿:池田

posted by towa at 16:17| まめちしき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年03月15日

1=0.999999…… この式は間違い??

今日は、ちょっと不思議な面白数学です。

1=0.999999…… 
この式は正しいでしょうか?

「0.999999……の方が、1よりほんの少し小さいはずだから間違え」
と、思われる方が多いでしょう。

しかし、数学的には 1=0.999999……は正しいんです?

証明してみましょう

1=0.999999……の両辺を3で割ります

「=で結ばれた両辺の同じ数を足したり引いたり掛けたり割ったりしても式は変わらない」

ということを小学生の時に習いましたよね?
ですから、両辺を3で割ると

0.333333…… = 0.333333…… となりますよね?

つまり、両辺が等しいことが解りました

上記で書いた「両辺の同じ数を足したり引いたり掛けたり割ったりしても式は変わらない」というルールに従うと、1=0.999999……は正しいことが解ります。

と、書きましたが、右辺の数字が永久に9が続くかどうかは解りません。ですので、結果が本当に証明通りになるかどうかは、確認できません。
ですので、この場合は「1=0.999999……とみなすことができる」が本当の正解になるのではないでしょうか?(つまり1≒0.999999……も間違いとは言えない)


数字そのものを研究する分野を「数論」と言います。

皆さんも聞いたことがあるかもしれませんが、「オイラーの定理」「平方剰余の相互法則」などは、この分野の成果です。

この問題、ちょっとした営業の小ネタにどうですが?



記事投稿:池田

ラベル:数学 数論
posted by towa at 11:22| まめちしき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年03月09日

広島市中心部の地名の由来

広島市中心部の地名には歴史を感じさせる由来のある地名があります。

普段全く意識しておりませんが、雑学として知っておくとちょっとした雑談に役に立つかもしれません。

■「紙屋町(かみやちょう)」
 伊予の国から移り住んだ紙商人が住んでいたことから名づけられた。傘屋や合羽屋、つり提灯屋など紙を扱う職人も多かったとされる。

■「胡町(えびすちょう)」
 町名の由来といわれる「胡神社」は郡山城城下町の守護神の分身として現在の場所に建立された。
 デパートを中心ににぎわう繁華街「えびす通り」の中央にある。

■「鉄砲町(てっぽうちょう)」
 家中鉄砲組の武士が住んでいた町。現在は広島電鉄白島線が走る「白島通り」となっているが、八丁堀町、幟町、胡町の繁華街に
囲まれた一角にその名を残している。

■「猫屋町(ねこやちょう)」
 広島城築城後、府中(現在の安芸郡府中町)から移り住んだ大商人が「猫屋」を号とする商家を構えたことから名付けられたといわれる。

■「水主町(かこまち)」
 水主とは船を操る人や船頭のこと。水主が数多く住んでいた町といわれている。現在は「加古町」と表記し、「広島市文化交流会館」、「JMSアステールプラザ」が立ち並んでいる。

■「河原町」
 瓦焼き場があり、瓦を作る職人が住んでいたとされる。現在の河原町は瓦が変化したものではないかと考えられている。


  「引用文献 ひろしま通になろう 中国新聞社刊」

現在はコロナ禍なのでビジネスで広島に来られる方も少ないのですが、出張で広島にいらっしゃるお客様のなかには色んな事にお気づきになってご質問をされる方もおられますが、なかなかうまく答えることができません。「灯台下暗し」で意外と地元のことはよく知らないものですね。


記事投稿:竹内
posted by towa at 12:15| まめちしき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月25日

ネイピア数って何 ②

前回「ネイピア数:e は、実際には、身の回りの現象に頻繁に登場してくる」と話しましたが、実際にどんな場面に現れるのでしょう?

解りやすいところで、カタツムリやアンモナイトの殻の形を見てみましょう。

snail-405384_960_720.jpg

だんだん間隔の開いた螺旋状をしています。

角度と半径で表される、いわゆる極座標表示(r, θ)に r=aebθ(a,bは変数、θ角度 eはネイピア数)で表されるグラフを描いてみると…

対数曲線.PNG

カタツムリの殻と同じ螺旋描いています。(対数螺旋と言います)
対数螺旋の特徴には「対数螺旋に接する接線と原点(中心)からの直線が交わる角度が、螺旋上どこでも同じ角度になる」があります。

また、猛禽類(ワシ・タカ)が獲物に向かっていく際も、この対数螺旋を描いて獲物に向かっていくのです。
猛禽の場合は、対数螺旋上を飛行すると、原点に対する角度が常に一定になるため、視線を動かさずに獲物に接近できるからという説もあります。

世の中の物理現象や、電気・電磁気を理解する場合にも頻繁に現れます(というよりeが無ければ世の中の現象は理解できない?:極論ですが)
現象を数式で理解しようとした場合、「微分方程式」を立てて解を求めるといった手法が一般的に行われます。

簡単な微分方程式(解の導出方法は、調べてみてください・・・)

微分方程式.PNG
というように、e(ネイピア数)が出現するのです。

人類が誕生するより遥か昔から、e(ネイピア数)は、自然の中に存在していました。
人類がe(ネイピア数)を発見したのは、僅か数百年前…

自然界には、まだまだ我々が知らない世界が広がっているのでしょう。



記事投稿:池田

ラベル:ネイピア数
posted by towa at 15:26| まめちしき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする