2023年05月09日

カプレカ数って知ってますか?

久しぶりのBlog更新です…

皆さん、カプレカ数って聞いたことがありますか?
数学に興味のある方なら、聞いたことがあるかもしれません。
今回は、このカプレカ数について書いてみたいと思います。

カプレカ数とは、3桁の数字(もしくは4桁の数字)に対して、カプレカ操作という操作を繰り返すことに依って、収束する一つの数の事です。

<カプレカ操作の方法>
カプレカ操作とは、「桁を並び替えてできる最大の数から最小の数を引く」という操作のことで、例えば「329」という3桁の数字を例にとってみると…

932-239=693  結果の693について同様の計算を繰り返すと
963-369=594
954-459=495
954-459=495
  ・
  ・
  ・
あとはいくら繰り返しても、結果は495で変わりません。

4桁の数字「5894」で、同様の操作をしてみると・・・

9854-4589=5265
6552-2556=3996
9963-3699=6264
6642-2466=4176
7641-1467=6174
7641-1467=6174
  ・
  ・
  ・
結果は6147に収束してしまいます。
3桁の数であればすべて 495に 収束し、4 桁の数であればすべて 6174 に収束します。
495を3桁のカプレカ数、6147を4桁のカプレカ数と言い、特別な数字です。
(ちなみに5桁以上にカプレカ数は存在しません)

数学の話ですので、これを証明することができます。
興味がある方は、チャレンジしてみてください

回答編:カプレカ数(特に3桁の場合)について(リンク先:高校数学の美しい物語)
リンク:ウィキペディア(Wikipedia)

記事投稿:池田
posted by towa at 15:41| まめちしき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年07月29日

ブール代数②

前回に引き続き、ブール代数です。
今回は、実際に論理式を使って、回路を組んでみます。

回路記号は、アナログ回路と違い、MIL記号をつかます。基本的なMIL記号は、NOT・AND・ORの3種類です。(XOR・NAND・NORなどもありますが、基本的に前出の3種類で表現できます。

それでは、実際に真理表から論理関数を導いて、論理回路を組み立ててみましょう。
下記の様に、A・B・Cの入力の結果を表した真理表があるとします。

boo110.png

この真理表から、この真理表の表す論理関数 f(A,B,C)を導きます。

Z=1となる行に注目して、0,1を変数文字のtrue,falseに置き換えてみます。

bool11.png

これを論理和(+)記号で結ぶと、論理関数式となりす。

bool12.png

今度は、この式を変形していきます。

bool13.png

ここで、変数A,B,Cは、和(論理和)積(論理積)の形で表せることが解ると思います。
()の中は、論理和になっていますので、これをMIL記号で表現すると・・・

bool14.png

Aと()の中は、積(論理積)の関係がありますので、合わせて表現すると・・・

bool15.png

このように、真理表から、実際の論理回路を組み立てることができます。

入力の変数が多くても、論理関数を組み立てて、変形することにより、同様に論理回路を組み立てることができます(計算は若干複雑にはなりますが・・・)

論理デバイスは、安価なものが多く(単機能製品は)比較的簡単に手に入ります。
プレッツボードや、ユニバーサル基板に組んでみて、簡単な回路から実験をしてみるのも面白いと思います。


記事投稿:池田

posted by towa at 15:55| まめちしき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年07月22日

ブール代数①

「1と0」の2つの数字だけを使った数学に「ブール代数」というものがあります。
電子回路に置いても、ディジタル回路を理解したり、回路構成を考えたりする際に、このブール代数の考え方が重要で、論理回路設計の基礎となっている考え方の1つです。

ブール代数は、イギリスの数学者 「ブール」 が提唱した記号論理学のことです。
真(true)と偽(false)だけ(1と0だけ)を対象とした代数ですので、演算には1と0だけしか出てきませんが、四則演算とは違い、AND(論理積)・OR(論理和)・NOT(論理否定)等の「論理演算」を行います。(+・×等の演算記号は使いますが…)

ブール代数は、ディジタル回路を数式で置き換える事により、代数計算により結果を導くことができるため、ディジタル回路設計を進める上で、不可欠な理論となります。

さて、ディジタル回路をブール代数でどの様に表すのかを見てみましょう。
下記に、ディジタル回路の基本要素である。AND(論理積)・OR(論理和)・NOT(論理否定)についてMIL記号と真理表(回路の入力の組み合わせと結果の一覧表)も併記して記載してみました。


AND(論理積)
f(A,B)=Zとして


  論理式 f(A,B)=A・B

論理積の式には、掛け算(×・)を使います。
真理表を見るとわかる様に、A,Bそれぞれに0,1を代入した結果Zが、積(掛け算)として表されています。


OR(論理和)
f(A,B)=Zとして
bool2.png bool2-2.png

 論理式 f(A,B)=A+B

論理和の式には、足し算(+)を使います。
真理表から、A,Bそれぞれに0,1を代入した結果Zが、和(足し算)として表されています。

通常の四則計算と違うところは、1は真(true)を意味し1+1=1となり、2とはならないことです。

NOT(論理否定)

f(A)=Zとして
論理式 f(A)=bool4.png

論理否定の式には、記号の上に―(バー)を付けて表します。
0は1に、1は0(否定)として表されます。

式の計算は、四則計算とほとんど同じ法則が成り立ちます。
下記は、代表的な法則です。
Boolean-algebra-theorems.gif
特に難しい法則は無いです。しいて言えば―(バー)の付いた法則が、あまりなじみがないかもしれません。
この法則を使うと、真理表を導いたり、真理表から回路を組み立てたりする作業か楽に行えます。

実際の例は、次回にでもご紹介しようと思います。


記事投稿:池田
posted by towa at 15:21| まめちしき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年05月06日

4次元②

我々の生活している、物理空間を考えてみましょう。

私たちは、「立体」の中で生活しているので、3次元であることは、感覚的にすぐ理解できると思います。
4つ目の次元として「時間」が存在することも、生活の中から理解できますね。

それでは、我々の世界は「4次元」なのでしょうか?
それは、ある意味正しく、また、間違っているとも言えます。

前回数学的に考えた、4つ全ての次元が等しい「4次元空間」ではなく、我々の住む世界は3つの次元が等しい3次元空間+「時間」という次元の中を自由に動けない制約付きの次元からできていると考えることもできます。
(等しい次元を持つ空間+時間:ミンコフスキー空間、等しい次元だけを持つ空間:ユークリッド空間と呼びます)
実際に、アインシュタインの特殊相対性理論では、我々のいる空間は「4次元のミンコフスキー空間」として表されています。

それでは、「4次元のミンコフスキー空間」と考えれば、すべての物理現象か説明できるのか? というと、そうではありません。
ミンコフスキー空間は、特殊相対性理論を幾何解析するための考えられた空間理論です。

理論物理学者は、物理現象は、マクロ(宇宙規模)からミクロ(量子規模)まで、1つの理論で説明できるはずだと考えています(統一場理論)
残念ながら、相対性理論だけでは、すべての物理現象を説明しきれないのです。

そこで、考え出されたのが「超弦理論」と呼ばれる考え方です。(難しくて、よく判りません…)
その理論によると、我々の世界は11次元もしくは、10次元+時間と考えることができるというのです。(4次元どころの話ではありません)

物理空間が、「本当は何次元なのか」の答えは永遠に証明できないのかもしれません。
やっぱり「ドラ○○んの4次元空間」は永遠に不思議の世界なのかもしれませんね!


記事投稿:池田

posted by towa at 14:54| まめちしき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年04月08日

4次元①

「4次元」と聞いて、何を思い浮かべますか?

ド○○○んの「4次元ポケット」
時間を超えられる「ワープ航法」
それとも、「何だか訳が分からない、不思議な空間?」といったイメージでしょうか?

上記の様にとらえてしまうのは、SF等の影響で「我々の世界には存在しない何か」という概念が定着してしまっているからではないでしょうか。
4次元(も含む多次元)は、その言葉の定義を考えれば、決して不思議ではなく、我々の生活の中にも見い出せるもっと身近な物(の考え方…)なのです。
物理的な4次元と数学的な4次元(多次元)は、若干ニュアンスが違っていますが、基本的な考え方は同じだと思っています。
数学的4次元(多次元)の方が、直観的に解り易いので、例を挙げながら少し考えてみたいと思います。

まず「次元」の意味ですが、これは数学では「変数」と考えることができます。

例えば変数がという1つしかない場合は「1次元」(長さしか変化しない円で言うと直径の事ですね)変数がx,yの2種類ある場合は「2次元」(面積の事です)x,y,zの3種類ある場合は「3次元」(体積=立体の事ですな!)と表現します。
同様に変数が4種類ある場合も考えられるわけで、変数がx,y,z,uの場合は「4次元」と呼ばれる訳です。
数学では1次元も4次元も(さらにn次元も)単純に「変数がn個」あるとだけ考え、特別な扱いはしません。
ですから、「円」を例にとると、直径・円の面積・球の体積を計算できるのと同様に「4次元球の体積」(表現のしようがないのでこう書くことにします・・・)も計算することができます。

極座標上に在る三角関数cosθを積分すると

4次元1.png

になります。 上の式は

4次元2 .png
と、書くこともできるので・・・
V1を半径rの円の直径=2rと考えると、下記の様に表すこともできます。

4次元3.png

半径rの円の面積=V2を積分で求めると

4次元4.png

**同様に半径rの球の体積=V3を求めると

4次元5.png

***同じ手順を繰り返せば、4次元球の体積=V4が求められるはず! です

4次元6.png

(この結果は、x,y,z,u空間の4重積分及び置換積分を実行したことになるのですが、少し難しいので、興味がある人は挑戦してみてください。 大学数学レヴェルです~)

数学では、初めに書いたように、「次元」は特別なものではなく、「4次元」は単に「3次元」の次の事象に過ぎないのです。
「4次元」が少し身近に感じられたでしょうか?

例えば、こんなことも考えることができます…
あなたは、3次元空間(変数)を自由に移動できる生物ですが、もう一つの次元として「おなかがすいているかどうか」という次元(変数)を追加してみます。
すると、あなたは3次元の自由の他に「おなかがすいた」次元を持った、4次元(変数)の世界に生きる「4次元生物」と考えることができます⁉。(厳密には間違えだけど、数学的な考え方としては、そういう事)

とはいうものの、実際に我々の生活している物理空間では、数学の様に簡単にはいかないようです…


次では、実際の物理空間での多次元について、判らないまでも考えてみたいと思います。


記事投稿:池田

posted by towa at 15:41| まめちしき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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