2021年06月14日

ラジオの原理②

次は、検波部です。

共振部で周波数を選択された電波信号は下記の様に、+と-が同じ振幅になっています。

hakei1.JPG

このままでは、+と-が打ち消しあって、音声信号になりません。
そこで、ダイオードを使って、+の信号だけを取り出すようにします。

ダイオードは、ご存じの様に、「一方通行」のデバイスです。

Diode.JPG

この特性を使い、電波信号の+要素だけを取り出します。

hakei2.png

ダイオードを使うわけですが、「ダイオードなら何でもいいや!」と言う訳にはいきません。
ここで使うのは「ゲルマニウムダイオード」ですが、一般的な「シリコンダイオード」に比べて、小電圧で駆動します。
入ってくる電波は、非常に弱いものですので、なるべく小電圧で動作するダイオードが適当ということになります。

検波用ゲルマニウムダイオードの定番と言えば「1N60」ですが、生産が終了しており、市場でも入手性が悪くなってきています。
代替のダイオードをチョイスする場合は、データーシートの「順方向電圧:VF=0.2V(Min)」程度の物を選ぶと良いようです。

VF.JPG

検波用でなくとも、VFか小さければ、ショットキーバリアダイオードでの代替も可能だと思います。(いろいろなダイオードを付け替えて実験しても楽しいですね!)


次回は、いよいよ音声を取り出します


記事投稿:池田

posted by towa at 16:45| 初心者電子工作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ラジオの原理①

最近、営業所内で電気工作に興味を持つ人が増えています。

手始めに、「ゲルマニウムラジオ」のKITを作ってみようと言うことで、何回かに渡って、基本的なラジオの仕組みを「ゲルマニウムラジオ」を例に考えたいと思います。

ゲルマニウムラジオの回路は以下の通りです。

G_RADIO.JPG

放送局の周波数に合わせてインダクタ(=L)可変式コンデンサ(=VC:バリコン)で構成された共振部。
受信した電波をそろえるダイオード。(=D)
そして、実際に音声として出力するクリスタル(セラミック)イヤホン。

それぞれの働きを簡単に説明していきましょう!

まずは、共振部です。

ここは、LとC(VC)が並列に接続されています。LとC(VC)を並列につなぎ、電流を流すと発振と言って、一定の周波数で電気的な振動が発生します。

LC.JPG

この電気的な振動が、電波(放送局)の周波数と同じになると、回路内に微弱な電流が発生します(共振)。これを以降の回路で音声として取りだせるようにします。

共振周波数(f)と、L・Cの関係は下記式で表せます。

F=.JPG

この式で計算すると、中波AMラジオ(526.5KHz~1606.5KHz)を受信するためには、市販の可変式コンデンサ(バリコン)の容量が4pF~260pF程度なので、L=400μH程度のインダクタがあれば良いことになります。

400μHのインダクタをソレノイドコイルで作ってみましょう。
コイルの直径=50㎜(半径=25㎜)、巻き付ける銅線の太さ0.5㎜とすると、下記の式で計算できます。

L=k×μ0×π×a×n 2/b
k (長岡係数)コイルの直径とコイルの長さで決まる定数
μ0(真空の透磁率)大体1と考えてOK
a (コイルの直径)=50mm
b (コイルの長さ)巻き数に比例
n (コイルの巻き数)
L(インダクタンス)=400μH

計算は面倒なので、Web上に紹介されている計算ツールを使うと簡単です。
これによると、大体115回巻けば良い事になります。

コイルの芯材は、絶縁体であれば、サランラップの芯や、PVCパイプ等なんでもOKです。(但し、外径は50㎜程度)銅線も、市販のエナメル線で十分です。


次回は、検波について書きたいと思います。


記事投稿:池田



posted by towa at 11:55| 初心者電子工作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月20日

初心者の初心者による初心者の為の電子工作~⑥工作品から学んでみよう~

こんにちは。
東和電子東京営業所のアシスタントSです。

今日は、工作品を分解して学んでみました。
早速、部品の名称と機能を書き出してみますね。

1・ダイナミックスピーカー
IMG_2580.JPG
機能:フレミングの左手の法則の原理(ブログ内にフレミングの法則が理解しやすく
   なる動画もあります)用いて、音声電流を流すと導体が振動して音が発生す
   る仕組みです。もっとも広く利用されているスピーカーになります。

2・LCDパネル
IMG_2579.JPG
機能:電圧を加えると分子の配列が変わる、液晶分子を利用した表示装置の事で、
   TFT液晶、TN液晶とあります。今回使用されていたのは、シンプルな液晶の
   TN液晶になります。
   ストップウォッチや電卓や体温計等で使用されています。

3・ICチップ
機能:集積回路の事。高度な機能を持っており、一つの半導体の上にトランジスタ
   や抵抗、コンデンサが乗っています。

4・オペアンプ
機能:電気信号を増幅する事が出来るIC。単体で使用するものではなく、
   フィードバック素子と組み合わせて使用するもの。演算処理にも使われてい
   ます。

5・光センサー
機能:光を検出して電気信号に変換するセンサーのこと。熱効果型の事は温度セン
   サーというので、光センサーと呼ぶ場合光電効果型センサーの事を言いま
   す。

6・レギュレーター
機能:電圧・電流を常に一定に保つように制御する回路の事です。

7・抵抗
機能:電流の調整、電圧を下げる、分圧します。
   詳しくはブログ「抵抗器とは」をご覧下さいませ。

8・コンデンサ
機能:電圧を安定させる。ノイズを取り除く。信号を取り出す事が出来ます。
   詳しくはブログ「コンデンサの種類と用途」をご覧下さいませ。

9・スイッチ
機能:電気回路をON/OFFします。また、回路の切り替えなど。


以上の9点で構成されておりました。
これらを組み合わせると、【光度センサーの前に物体を置くとICチップが反応して音がスピーカーから鳴り、数字がLCDパネルに表示される】製品が組み上がってしまうのです。
知らない部品の名前と実物を1点ずつ所長に聞き、大変勉強になりました。そして、まだまだ知らない電子部品が多いなと感じてしまいます。

回路だけを見ると自分でも作る事がすぐ出来るのかなと思ってしまったのですが、
スピーカーの抵抗値を合わせないといけない(インピーダンス)事や部品を全て自分で揃える事を考えると、
まだまだ一から組み立てられるのは先の話だなと理解してしまうアシスタントSでした。

夏前に1つ電子工作をブログで上げられたらいいなと思っております


記事投稿 東京営業所アシスタントS
posted by towa at 10:00| 初心者電子工作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年03月15日

初心者の初心者による電子工作~⑤完成品と悩み~

こんにちは。
東和電子東京営業所のアシスタントSです。
週末、ミルクティーで一番自分好みのものは何だろうと試したくなり、紅茶(ウバ・アールグレイ)、ほうじ茶、烏龍茶、プーアール茶を砂糖なしの状態から飲み始め、自分の好みの甘さになるまで調節して飲んでおりました
ペットボトル飲料でも売っているのを購入したりするのですが、甘さの調節が利くという点で、自宅で作るのもいいですよね。

さて、今回は久しぶりの電子工作編です。と言っても、新しい知識は今回出てきません
一度完成品を上げてから他の趣味(お茶など)に性が出てしまい、中々先へ進まず現状維持を続けております。

そんな完成品がこちらです。
明るい場所.jpg

暗い場所.jpg
写真ではいまいち伝わらないかもしれないのですが、キャンバスボードの裏側に工作したLEDがあります(キットを使用)。
飾っている造花は季節によって変更出来るように刺したり張り付けているだけなので、次に飾り付けを替える際にはキャンバスの下の隙間に場所を移動してみようかと思います
お家時間の過ごし方の一つとして、電子部品を組み込んだ工作も楽しいですよ

こちらは壁に取り付けているのですがスイッチを手動で切り替えているので、無線モジュールの電子工作で紹介している無線モジュールを利用して離れた位置などから照明を点けられたり、又は音を鳴らしたり出来れば良いなと思ってしまいました。

しかし、勉強不足で知識が足りないのが課題であり悩める部分です。
次回記事をアップする際は、新しい知識を少しお伝えできれば良いなと思っております。


記事投稿 東京営業所アシスタントS
posted by towa at 11:00| 初心者電子工作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月19日

初心者の初心者による電子工作~番外編 部品についての理解を深めよう!~

こんにちは。
東和電子 東京営業所のアシスタントSです。
今朝は寒さで目覚まし時計が鳴る前に起きてしまいました。日の出が遅くなるにつれて、冬が近づいているのを感じますね。

さて、今回も番外編になります(次回は工作品を上げたいです)。
早速本題に入りましょう。
以前私が作成した際に使用したものは工具以外ですと、
プリント基板・抵抗・トランジスタ・発行ダイオード(LED)・可変抵抗器になります。

まず、プリント基板を説明していきますね。
そもそも、基板はあらゆる電子機器に内蔵されている部品の一つになります。
携帯電話・湯沸し器・オーディオ機器など様々なものに使用されています。
コンサートなどで使用するLEDのバングルにも、基板が組み込まれていました。
(エンタメ業界も少しずつではありますが、動き出しましたね。
全ての方が安心して観戦・参加出来る状態になる事を切に願っております)

今回使用したリミット基板について書きますね
まず2種類に分ける事が出来ます。ユニバーサル基板とプリント基板です。
ユニバーサル基板…万能な基板です。自分で配線を組み立てる事が出来ます。
         自作で作る分には良いのですが、全ての部品の配線を手作業
         で繋いでいくので量産には向きません。
         種類…ユニバーサル基板
プリント基板…ユニバーサル基板とは違い、本体に配線パターンが形成されているものです。
        一般に出回っている電子機器はほとんどがこちらの基板です。
        種類…片面基板・両面基板・多層基板など、種類が多々あります。

ちなみに、私は最初『基板』ではなく『基盤』だと思っておりました。
基盤は、土台や基礎という意味になるので、電子部品を乗せる『きばん』の漢字は『基板』となるようです。
基板について.jpg

そして次に、発光ダイオード(LED)についてはこちらをご覧下さい。
抵抗トランジスタはこちらをご覧下さい・・・・・
と、番外編の中で少しだけ触れた記事しかない事に記事を書きながら気付きました。
抵抗やトランジスタについては今後記事投稿をしていきたいと思います。

そして、こちらの表をご覧下さい。
部品について.jpg
前回の記事投稿で最後に触れた、アキシャル部品とラジアル部品・先日覚えたフォーミング加工についてです。
表を見て頂いたままなのですが、同じ電子部品でもリード線がどのように出ているかで分類が分けられます。
ちなみに、弊社では一部アキシャル部品のフォーミング加工・プリント基板の回路設計も
請けおっており、担当者に回路図を見せて頂いた時はキレイな配線にトキメキを覚えてしまいました

地域の差はあるかと思いますが、冷え込みが厳しくなっております。
どうぞ身体に温かいものを取り入れられて、風邪をひかれないようご自愛下さいませ。


記事投稿 東京営業所アシスタントS
posted by towa at 11:00| 初心者電子工作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする