2023年10月27日

オシロ・ジェネレータ(回路編)

以前から、オシロスコープは欲しい計測器でしたが、結構高価でなかなか手が出ませんでした。
とある人から「簡易型のハンディータイプなら数千円であるよ」との話を聞き、Netで一番安価なものを購入しました。
なんせ安いので、「プローブが使いずらい」とか「操作が判りにくい」とかありましたが、とりあえず波形が確認できればいいや! と思っていました。
しかし、重大なことに気づきます。「ジェネレータ」機能がついていません…
よく調べれば、少しの上乗せでジェネレータ付きが買えたのに! です。

矩形波にしろ、正弦波にしろジェネレータは欲しいところですが、買い替えるのも悔しいので自作することにします。
とりあえず矩形波を作ることにして、NE555を使った回路を考えました。

NE555を使った、矩形波発振回路は、Webにたくさん載っていますが、いちばん部品点数の少ないリファレンス回路に近いものを採用します。
下記が回路図ですが、発振周波数は可変できるようにしたいので、Rの一つをVRで可変できるようにします。

オシレータ.PNG

発振周波数は、f=1.44/((Ra+2Rb)*C1) で計算できますので、100KHz程度出せるように、Ra、RbとC1の値を決めます。
RaとC1を固定にして、Rbを可変にします。Ra(R1)=10KΩ、C1=0.001μFと仮定すると、
Rb=4.7KΩで約100KHz、Rb=100KΩで約7KHzとなりそうなので、Rb(VR1)=100KΩの可変抵抗を使うことにします。
(C2はパスコンなので、とりあえず0.01μFを付けておきます)
部品.PNG
部品はすべて自宅のジャンクで間に合いそうです。
次回は、組み立て・実験編です

はてさて、うまくいくのやら…


記事投稿:池田


posted by towa at 15:26| 初心者電子工作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月27日

トランジスタを使ったラジオ【実践編】

さて、前回バイアス計算をした回路を元に、実際にラジオを組み立ててみましょう。

1TrRadio.png

部品表.JPG

アンテナコイルは、巻くのが面倒なので、市販のバーアンテナを使います。
市販品は620μHの2次巻線仕様でした。今回はストレートアンテナとして使うので、2次側のリードを切ってしまいます。
また、260pFのバリコンと組み合わせて使うため620μHでは、インダクタンスが高すぎて高い周波数の放送が聞こえなさそうでした。そこで、1次側の巻線を目分量で巻き戻して(ほんと適当!)使う事にします。
基板は、その辺に転がってたユニバーサル基板を使いました。

回路図に従って、適当に部品配置をして、基板を組み立てます。

組みあがったバラックがこれ

20210719_141942.jpg

電池を入れて、はい! あれ?聞こえません… ノイズすら聞こえません
こういう時は、大概配線ミスをしているものです。基板配線を追ってっと…配線は間違って無いようです。
うん?? トランジスタの極性が逆じゃん!
まあ、私の工作はこんなもんです。(皆さんは、電源投入前にしっかり確認してくださいね)

再度、電源投入! 今度はノイズが聞こえ、微かに放送を受信しています。
やっぱり、鉄筋のビルの中では少々キツイ様ですので、事務所の外階段まで出てみます。
今度は、はっきり聞こえます。

ゲルマニウムラジオより数段音量が大きくなり、放送局も4局受信しています。
スピーカーが問題なく鳴らせるには、出力不足ですが、トランジスタ1個だとこんなもんでしょう。

本当は、出力波形や電流・電圧が計算通りに出ているかをオシロスコープで確認したいところですが、「ゲルマニウムラジオより大きな音で鳴らす」が目的だったので、これで良しとしましょう。(オシロ持ってないし・・・)

100均で買った、ポリの食品ケースに基板を適当にビス付けしてとりあえず「箱」に入れます。ジャンクのスイッチで一応電池を切れる様にしました。

20210727_115932.jpg 20210727_115857.jpg

カッコ悪いなこれ… 


記事投稿:池田

posted by towa at 15:11| 初心者電子工作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月15日

ゲルマニウムラジオを作る ④音が鳴るか実験

6/25の記事、ゲルマニウムラジオを作る ③ハンダ付けの続きです。

何とか作ったゲルマニウムラジオがちゃんと動くか試してみます。

【注意】
ゲルマニウムラジオは電波のエネルギーを検波して取り出した電力だけでイヤホンを鳴らします。
電波の弱い地域、場所(マンション等鉄筋の建物を含みます)では、音が拾えません。(別途アンテナが必要になります)

事務所は鉄筋コンクリート造りなので当然のように室内では鳴りませんでした…。
IMG_20210715_111303.jpg
うんともすんとも言いません。

では、事務所の外ではどうでしょうか。踊り場の階段で試してみました。
IMG_20210715_111208.jpg
周り鉄筋ビルだらけ。チューニングしてもこのままでは鳴りませんでした。アンテナにさらに10mの銅線を繋げてみた所、ギリギリ雑音が拾える程度です。非常に環境に左右されます。

自宅のベランダで試してみました。道路に面した集合住宅の2階ですが、鉄筋コンクリートのビルはありません。
EzdDi5fVoAQnyI6.jpg
自宅では決して大きくないものの、はっきり音が拾えました。放送局は2か所繋がりましたが、室内では繋がりません。

アシスタントSさんにも持ち帰ってもらって自宅で試してもらいましたが、放送局1か所と繋がる事が出来ました。

音がはっきり聞こえるとおおー!となりますね!
そして、今回はゲルマニウムダイオードでしたがトランジスタラジオも試してみたくなりました。

今後またキットを調達してトランジスタラジオを作ってみようと思います。


投稿:渡辺






posted by towa at 16:12| 初心者電子工作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月12日

初心者の初心者による電子工作~一年を振り返ってみました~

こんにちは。
東和電子東京営業所のアシスタントSです。

初心者による初心者の為の電子工作。
初めて電子工作に挑もうと思い始めてから、約1年が経過致しました。
1年経つのは早いものだなと本当に驚きです!

他、アシスタントSの電子工作記事は、カテゴリ「初心者電子工作」内に置いております。
趣味として挑んでいる為工作点数は大変少ないのですが、
少しずつはんだ付けも成長し、はんだ付けも1年前と比べるとこの様に
付けられるようになりました。

はんだごて失敗作.jpg
2020年7月のはんだ失敗例(ハンダをどのタイミングで離したらいいのか判らず、隣とくっついてしまっています)

はんだ表.jpg
2021年6月のはんだ付け例(隣り同士がくっつく事はなくなりました)

ですが気を緩めると最後に電池を付ける際に失敗してしまったりするので、
はんだ付けが出来ます!と言えるようになるにはまだまだかかりそうです。


非常にのんびりとした歩みではありますが、
今後も趣味の一環として電子工作を進めていきたいと思っております


さて、次回は”推し色を使った電子工作”の過程を上げたいと思います。
キットではなく、一から部品を自分で揃えてみました。
宜しければまたブログを覗いて頂けたら嬉しいです


記事投稿 東京営業所アシスタントS
posted by towa at 10:00| 初心者電子工作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月02日

トランジスタを使ったラジオ【設計編】

前回、ゲルマニウムラジオについて書きましたが、今回からはトランジスタを1個使い、より大きな音で鳴るラジオについて考えてみたいと思います。

まず、トランジスタについてですが、大まかに言うと…

① 電流を増幅できる半導体素子で、電流増幅の他に電子スイッチとして使うこともできる。
② P型半導体とN型半導体の組み合わせで、PNP型とNPN型がある。(電界効果トランジスタでは、Pチャンネル型とNチャンネル型)
③ 3つの端子(コレクタ:C エミッタ:E ベース:B)からなり、各端子間に電流を流す(バイアスを掛ける)ことにより、ベース電流を増幅する。

といった、特徴があります。

ここでは「2SC1815」という小信号汎用トランジスタを使って、ゲルマニウムラジオより大きな音でイヤホンを鳴らすことを考えます。
*計算や数値・数式は、「思い込みの」の部分もあって、正解ではないかもしれません…あくまでも参考として(逃げ打ってどうする!)

Tr_Radio1.JPG

ゲルマニウムラジオでは使わなかった電池をトランジスタを駆動させるために使うのが大きな特徴になります。
回路は、「自己バイアス回路」と呼ばれる回路を最低限の部品で構成しています。
世の中には、トランジスタ1個を使ったラジオの回路はあまた紹介されていますが、今回は「バイアス」について考えるため、回路計算をしてみます。
また「バイアス」の意味は、「トランジスタに電流を流す」と思っていれば、とりあえずは良いと思います。

さて、そのバイアス(トランジスタに流す電流)を決めていきましょう。
回路図の右半分だけを取り出して考えてみます。

Tr_Radio2.JPG

トランジスタの内部抵抗を考えなければ、回路に流れる電流Icを決めれば、コレクタ抵抗Rcをオームの法則で簡単に求めることができますね。
2SC1815のIcは、0.1mA~数mA程度で考える場合が多いようですので、まずは Ic=0.1mAとして考えます。
トランジスタで駆動するデバイスの消費電力が大きければ、流す電流も多くする必要がありますが、ここはイヤホンを鳴らすだけですので、電池の消費も考えて、最低の電流値で設定します。

上の回路に流れる電流:Ic=0.1mA 電圧:Vc=1/2・Vcc=0.75V(Vc=コレクタ電流:Bに印加される電圧が変化してもVccの電圧を超えない様に1/2程度にする)とすると、あとはオームの法則です。

Rc=Vc/Ic = 0.75(V)/0.1(mA)=7.5(KΩ) 大体、7.5KΩ程度の抵抗を考えれば良さそうです。
(Icをいくつにするかは、設計者によって幅があり、Rcも数KΩ~数10KΩと様々です。この辺がアナログの難しいところです)

次に、C-B間に掛かっている抵抗Rbを下記で求めます。

Rbバイアス.JPG

Trの立上り電圧は、TrのデータシートのIb-Vbe特性表から判断します。(ここでは0.4Vとしました)
2SC1815の電流増幅率:hfe=200とします。(これはBに印加された電流がどの程度増幅されるかを表すパラメータで単純に200倍と考えてください)

上記から、Rb=750KΩ程度(700KΩって無いので…680KΩでも可)で良さそうです。

ところで、「ゲルマニウムラジオ」で検波に使ったダイオードが見当たりませんよね?
これで、ラジオは聞こえるのでしょうか…

トランジスタ(NPN型の場合)は、B(P型半導体)が、CとE(N型半導体)に挟まれた構造をしています。
B-E間だけを考えると、ダイオードと同じPN構造になっています。
この回路は、B-E間で検波を行い、同時に増幅することができる回路になっています。
(Bの前に「ゲルマニウムラジオ」と同じダイオードを付けても、同様に検波できますが、ダイオードとトランジスタの2か所で検波する必要はありませんよね?)

最後に、Bの前についているコンデンサC1です。

Trにバイアスを掛けたことにより、信号波形には直流成分が含まれてしまい、この直流成分が波形を相対的に小さな振幅にしてしまいます。
そこで、入力に「カップリングコンデンサ」と呼ばれるコンデンサをつけて、直流成分を除く様にしています。
コンデンサの容量は … なかなか難しいところですが、経験上0.1μF~1μF程度のセコンデンサが良いように思います。(えっと、実は良く理解してないです)
容量が小さすぎると音が出ませんし、大きすぎても良くないようです。(違ってたらごめんなさい…)

さて、これで鳴るはずですが、鳴らない・思ったより音が小さいと思ったら、RcとC1の値を変えて実験してみてください。
なかなか設計通りにならないのが「アナログ」です。(自分が無知なだけですね!すいません…)

次回は、実際に組み立てしてみましょう


記事投稿:池田
posted by towa at 14:27| 初心者電子工作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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