東京オリンピックで日本発祥の「空手」が競技として追加されたのは驚きでした。というのも空手は柔道と違って多くの流派があります。
伝統空手としては4大流派(松濤館流、糸東流、和道流、剛柔流)があり、これらはノンコンタクト(寸止め)空手です。
この伝統空手から派生してフルコンタクト(打撃を相手にあてる)空手が生まれております。有名なところは極真空手だと思いますが、極真空手からも正道会館、芦原空手、大道塾、新極真などの多くの流派が生まれており、一言に空手と言っても統一性がないところがあります。そのため空手が決定した際は正直驚きました。
柔道は講道館一本です。柔術のもととなった「高専柔道」という寝技主体の柔道もありますが、ほんの僅かです。講道館一本と理解してもよいぐらいに思います。なので競技化をしやすかったと思います。
オリンピックの空手は流派はよくわからないのですが、伝統空手に準じていると理解しております。競技では「組み手」と「形(かた)」があります。
「組み手」は相手と対戦しますが、攻撃を相手に当てる寸前のわずかなところで引きます。「エイ!」「ヤー!」とか声を出していないと1本になりません。気合が大事です。自分が子供の頃は実際に当てないのは実践的ではないと思ってましたが、大人になると対戦相手にケガをさせないことは空手道の「道」につながるのではないかと勝手に思っております。攻撃の際の突きも肘が伸びきっていると1本にならないと思います。実際に当てる場合を想定して肘にはわずかにタメがないといけません。
「形」は一人での演武になります。攻めや守りのかたちは、相手が上段を攻めるとこうやってかわす、下段の場合はこうやってかわす・・・攻めの場合の上段突きは・・・など実践を想定してつくられたものです。
「丹田」(へその下あたり)を意識したどっしりした重心の構えからスピードのある突きや蹴り、受け・・・その際に道着が「ビシッ!」と音を立てます。「静と動」がなんとも言えない空気をもたらします。
スポーツではない・・・武道としての空手を楽しみにしております。アスリートと呼ぶのではなく、武道家と言いたいです。
記事投稿:竹内