最近TVを見ていたら、面白い番組がありました。
Eテレで放映中の「笑わない数学」がそれです。
その中で、面白いエピソードが紹介されていましたので、紹介したいと思います。
番組で取り上げているのは、数論(数の性質について研究する数学)なのですが、難しい数論の考え方を、判りやすく簡単に紹介しています。
番組は「超越数」についてでした
超越数は、数の分類の一つになります
数の分類には
有理数:整数分の整数という分数で表せる数や、無理数:有理数ではない実数のこと。つまり、整数分の整数では表せない数といった、分類等がありますが、その他には「代数的数」「超越数」といった分類もあります。
代数的数:1次方程式や2次方程式といった何らかの代数方程式の解として表される数、√2や√3は、√a^2=aなので、代表的数、またx^2=-1の解がiとなることから、虚数も代数的数です。(ただし、代数方程式の係数は、すべて有理数)
超越数:代数方程式で表すことのできない数、πやeはこれにあたる。
ネイピア数 e が超越数である証明は、シャルル・エルミートにより、1873年に証明されました。証明は、結構難しいので興味のある方は調べてみてください。
また、フェルディナント・フォン・リンデマンにより証明されたリンデマンの定理では、代数的数 aに対してe^aは超越数であることが知られています。
この定理を使うと、πも超越数であることが判ります。(美しいです)
現在までのところ、πやeといった特殊な数を含んだ、超越数として確認された数はそれほど多くありません。
たとえば、π+eが超越数であるかは、確認されていないのです。
しかし、超越数が代数的数より圧倒的に多いことは、判っており、また複素数のほとんどが超越数であることは、確認されています。
(代数的数も超越数も無限に存在するはずなのに、超越数のほうが多いって…禅問答ですね)
私たちの身近な数字には、まだまだ多くの謎が含まれているのですね。
記事投稿:池田
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