2022年07月22日

ブール代数①

「1と0」の2つの数字だけを使った数学に「ブール代数」というものがあります。
電子回路に置いても、ディジタル回路を理解したり、回路構成を考えたりする際に、このブール代数の考え方が重要で、論理回路設計の基礎となっている考え方の1つです。

ブール代数は、イギリスの数学者 「ブール」 が提唱した記号論理学のことです。
真(true)と偽(false)だけ(1と0だけ)を対象とした代数ですので、演算には1と0だけしか出てきませんが、四則演算とは違い、AND(論理積)・OR(論理和)・NOT(論理否定)等の「論理演算」を行います。(+・×等の演算記号は使いますが…)

ブール代数は、ディジタル回路を数式で置き換える事により、代数計算により結果を導くことができるため、ディジタル回路設計を進める上で、不可欠な理論となります。

さて、ディジタル回路をブール代数でどの様に表すのかを見てみましょう。
下記に、ディジタル回路の基本要素である。AND(論理積)・OR(論理和)・NOT(論理否定)についてMIL記号と真理表(回路の入力の組み合わせと結果の一覧表)も併記して記載してみました。


AND(論理積)
f(A,B)=Zとして


  論理式 f(A,B)=A・B

論理積の式には、掛け算(×・)を使います。
真理表を見るとわかる様に、A,Bそれぞれに0,1を代入した結果Zが、積(掛け算)として表されています。


OR(論理和)
f(A,B)=Zとして
bool2.png bool2-2.png

 論理式 f(A,B)=A+B

論理和の式には、足し算(+)を使います。
真理表から、A,Bそれぞれに0,1を代入した結果Zが、和(足し算)として表されています。

通常の四則計算と違うところは、1は真(true)を意味し1+1=1となり、2とはならないことです。

NOT(論理否定)

f(A)=Zとして
論理式 f(A)=bool4.png

論理否定の式には、記号の上に―(バー)を付けて表します。
0は1に、1は0(否定)として表されます。

式の計算は、四則計算とほとんど同じ法則が成り立ちます。
下記は、代表的な法則です。
Boolean-algebra-theorems.gif
特に難しい法則は無いです。しいて言えば―(バー)の付いた法則が、あまりなじみがないかもしれません。
この法則を使うと、真理表を導いたり、真理表から回路を組み立てたりする作業か楽に行えます。

実際の例は、次回にでもご紹介しようと思います。


記事投稿:池田
posted by towa at 15:21| まめちしき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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