2021年06月14日

ラジオの原理①

最近、営業所内で電気工作に興味を持つ人が増えています。

手始めに、「ゲルマニウムラジオ」のKITを作ってみようと言うことで、何回かに渡って、基本的なラジオの仕組みを「ゲルマニウムラジオ」を例に考えたいと思います。

ゲルマニウムラジオの回路は以下の通りです。

G_RADIO.JPG

放送局の周波数に合わせてインダクタ(=L)可変式コンデンサ(=VC:バリコン)で構成された共振部。
受信した電波をそろえるダイオード。(=D)
そして、実際に音声として出力するクリスタル(セラミック)イヤホン。

それぞれの働きを簡単に説明していきましょう!

まずは、共振部です。

ここは、LとC(VC)が並列に接続されています。LとC(VC)を並列につなぎ、電流を流すと発振と言って、一定の周波数で電気的な振動が発生します。

LC.JPG

この電気的な振動が、電波(放送局)の周波数と同じになると、回路内に微弱な電流が発生します(共振)。これを以降の回路で音声として取りだせるようにします。

共振周波数(f)と、L・Cの関係は下記式で表せます。

F=.JPG

この式で計算すると、中波AMラジオ(526.5KHz~1606.5KHz)を受信するためには、市販の可変式コンデンサ(バリコン)の容量が4pF~260pF程度なので、L=400μH程度のインダクタがあれば良いことになります。

400μHのインダクタをソレノイドコイルで作ってみましょう。
コイルの直径=50㎜(半径=25㎜)、巻き付ける銅線の太さ0.5㎜とすると、下記の式で計算できます。

L=k×μ0×π×a×n 2/b
k (長岡係数)コイルの直径とコイルの長さで決まる定数
μ0(真空の透磁率)大体1と考えてOK
a (コイルの直径)=50mm
b (コイルの長さ)巻き数に比例
n (コイルの巻き数)
L(インダクタンス)=400μH

計算は面倒なので、Web上に紹介されている計算ツールを使うと簡単です。
これによると、大体115回巻けば良い事になります。

コイルの芯材は、絶縁体であれば、サランラップの芯や、PVCパイプ等なんでもOKです。(但し、外径は50㎜程度)銅線も、市販のエナメル線で十分です。


次回は、検波について書きたいと思います。


記事投稿:池田



posted by towa at 11:55| 初心者電子工作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。