2021年04月08日

LEDはなぜ光るのか


以前ののブログで、LEDの種類ダイオードについての記事がありました。

記事にあるように、LEDにはいろいろな種類がありますが、そもそもなぜ光るのでしょう?

まずは、LEDの回路記号を見てみましょう。

LED3.JPG

図のように、ダイオードの回路記号から光が出ている様に書かれています。

LEDを日本語で言うと「発光ダイオード」です。LEDの構造は一般的なダイオードと基本的には同じです(機械的な構造や半導体材料は違いますが…)

LED(ダイオード)はp型半導体n型半導体がくっついた(接合)構造をしており、LEDの半導体には化合物半導体材料が使われます。たとえばGaAs半導体(ガリウムひ素化合物)の場合、価電子3個のGaが比率として多ければ、本来電子があるところに電子が存在しない「穴」の様な状態になる部分ができます。
この電子不在の「穴」を「正孔」と呼び、電気的には相対的に「プラス」と考えることができます。(p型半導体)

また、価電子5個のAsの比率が多ければ、電子が1つ余った状態(自由電子)となり、電気的には相対的に「マイナス」と考えられます。(n型半導体)

このp型半導体と、n型半導体を接合(pn接合)させ、ある程度の電圧を持った電流を流すと接合部分で「正孔」「電子」が移動して、電気的な中和状態となり、それぞれが消滅します。

電子はもともとマイナスの電荷(エネルギー)を持っていますが、この消滅により、電荷を持たなくなり、余った電子のエネルギーが「光」となって放出されるのです。

LED.gif

ここで、疑問に思われませんか?

LEDも一般的なダイオードも同じpn接合構造を持っているのに、なぜLEDは光り、一般的なダイオードは光らないのでしょうか
厳密に言うと、一般的なダイオードも「光って」いるのです。

ちなみに、光は「電磁波」で、特定の波長となった場合に、「光」として認識され、一般的に電磁波は波長が短い程、エネルギーが高いとされます。

一般的なダイオードはSi(シリコン)やGe(ゲルマニウム)を材料として使用しています。これが、低電圧で動作することに対して、LEDに使われる半導体(GaAs等)を動作させるには、高い電圧が要求されます。

低電圧で作動するということはpn接合面で発生するエネルギーも小さく、長い波長の電磁波が放出されます。つまり光(可視光)の波長のエネルギーには足りないのです。
放出された長い波長の電磁波は、半導体を覆っているモールド樹脂やガラスに吸収され熱となってしまいます。

LEDは「光」の波長を出せる程の電圧(エネルギー)を必要とし、また供給されているので、光ることができるのです。




弊社では Everlight, LENOO, KingBlight 等、各社LEDを取り扱っています。
砲弾タイプ・面実装タイプ・セグメントタイプ各種ラインアップも豊富ですので、用途に合わせお問い合わせください。




記事投稿:池田

posted by towa at 16:48| まめちしき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする