2020年10月28日

微分・積分は難しくない②

さて、前回の続きです

自動車が10s(秒)進んだ時、どれだけの距離を進むかは、グラフの面積部分に相当することが解りました。
これを数式で表してみましょう
自動車のスピード=y(m/s)、進んだ時間=x(秒)、進んだ距離=L(m)とし、積分式を使って表すと
積分1.jpg
という式で表されますは「積分(面積や体積を求める)」しなさいという記号で、インテグラルと呼びます。その横の0,10は積分する範囲(この場合は進んだ時間 x(秒)の範囲が0~10という事)を表しています。
最後のdxはxについて積分しなさいという意味で、この場合は進んだ時間に対して、積分しなさいという意味になります。

積分の実際の計算は下記の式で計算できます。(aは定数 xは変数です)
積分2.jpg
今回の例の場合、x^0=1なので、上記の式に当てはめると、L=10・1/1・xとなり、xに10を代入すれば、L=100となり、これが、車の進んだ距離(m)になり、結果グラフの面積と同じになることが解ります。


今度は、車が加速している場合を考えてみましょう。
止まっている車が走りだして1m/sずつ加速していった場合、10s(秒)後に進んだ距離はどうなるでしょうか?

これも、さっきと同じように、グラフにして考えてみます。

グラフ2.gif

これも同じように、グラフの三角形の面積が、進んだ距離(m)になると考えることができるのは、前の例と同じです。
三角形の面積は、進んだ時間(10秒)×10秒後の速度(10m/s)÷2 = 50(m)になりますよね?
速度(m/s)をy、進んだ時間(s)をxとして、進んだ距離L(m)とすると、速度変化を表す直線はy=xとなります。

これを積分式で表すと
積分3.jpg
となり、三角形の面積と同じになります。

もうお判りかと思いますが、積分法を使うと、グラフには無い「距離」が計算できるのです。言い換えると、変化(関数)と範囲が解れば面積が求められるのです(これを定積分と言います)

興味があったら、下記の問題を積分で計算してみてください・・・

問題:宇宙ロケットを打ち上げます。ロケットの加速度は5G(G:重力加速度=9.8m/s^2として、5G=9.8×5(m/s^2))です、このロケットが100秒後に到達できる高さは地表から何mでしょう?
(但し、地球は自転しおらず、空気抵抗も無し、月の重力の影響も無いと考えます。また加速度も100秒後まで変わらないとします。さらに簡単にするため、地球の重力も無視します)

今までの例では、「面積」から積分を見てきましたが、この考え方は「体積」にも応用できます。つまり関数と面積が解れば、体積が計算できます。

次回は、体積への応用を簡単に説明したいと思います。


記事投稿:池田

posted by towa at 15:25| まめちしき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする