だいぶ前になりますが「博士の愛した数式」小川洋子著という小説の映画が公開されていました。(リンク:Wkipedia)
これは、交通事故で記憶が80分しか持続しなくなってしまった元数学者の話なのですが、ストーリーの中にはいくつも数学に関する概念が紹介されています。
今回は、その中の「友愛数」について紹介したいと思います。
「友愛数」とは…
異なる2つの自然数の組で(それぞれ A Bとする)自分自身を除いた約数の和においてAの約数の合計=B、Bの約数の合計=Aとなるような数の組あわせを言う。
ちなみに、一番小さな友愛数の組は(220, 284)になります。
さて、この「友愛数」ですが、まだまだ判っていないことが多い数字でもあります。
・友愛数の組は無限に存在するか?
・偶数と奇数からなる友愛数の組は存在するか?(今まで見つかっている「友愛数」はすべて偶数同士もしくは奇数同士の組み合わせです)
「友愛数」を計算から導き出す法則…
「友愛数」を計算から導き出す「サービト・イブン・クッラの法則」という式があります。
この式を使うと、「友愛数」を計算で導き出すことができます。
しかし、残念な事にこの式はすべての「友愛数」について適応されるとは限らないのです。
(ですので、公式とは言えないのでしょう…)
n=2の場合で計算すれば、最小の「友愛数」が求められます。(220,284)
n=3の場合は、条件を満たさず、n=4の場合は、(17296,18416) という「友愛数」が得られます。
しかし(6232, 6368)は「友愛数」で(220,284)と(17296,18416)の間の数ですが、サービド・イブン=クッラの式を満たしません。
「友愛数」自体、現在までにコンピュータを駆使した計算(地道な)で、10億個以上が発見されていますが、いまだに完全な公式は見つかっていません…
自然数一つとっても、奥が深いものを感じますね!
「XX数」と名の付く自然数は他にもたくさんあります。興味があれば調べてみてはいかがでしょうか?
記事投稿:池田