私の住んでいる東京の西東京市(2001年田無市と保谷市が合併)には「いこいの森公園」という大きな公園があります。
この公園は、2005年に西東京市が誕生したのを記念して作られましたが、以前この場所には「東京大学原子核研究所」という当時、最先端の研究施設がありました。
原子核研究所は、第2次世界大戦後、研究が途絶えていた日本の原子核物理学の拠点として計画され、「サイクロトロン」や「電子シンクロトロン」といった最先端の性能を持つ加速器施設が作られました。
東京大学原子核研究所のシンクロトロン(画像:KEK H/Pより)
また、この施設は東大だけの設備ではなく、全国の大学を縦断し研究できる、原子核・素粒子・宇宙線研究の開かれた研究施設として、その後の物理学に大きな成果をもたらした施設でもありました。
代表的な成果としては…
・サイクロトロンやシンクロトロンを用いた、原子核の構造の研究や、核子共鳴の研究
・人工的につくられたパイ中間子の観測
・ベータ線分析器によるニュートリノ質量の直接測定実験
そのほかにも、研究者の中から、小柴昌俊博士、益川敏英博士、梶田隆章博士等、ノーベル物理学賞を輩出したり、現在の医療で使われるPET診断(陽電子断層撮像)に使うポジトロン核種(陽電子を出す放射性同位元素)の生成の基礎を作るなど、多岐にわたり現在の科学技術の発展に寄与しました。
この研究所は、より大きな加速器の建設や、設備の老朽化等の問題もあり、2000年に施設移転されましたが、それまでは、年に1回ほど一般公開がされていました。
だれでも最先端の施設を見学することができ、私もわからないながら、何度か見学をした覚えがあります。
研究所の意思は現在も、「高エネルギー加速器研究機構(KEK)」や「素粒子原子核研究所」に引き継がれ最先端の研究がおこなわれているのです。
(LINK:Wikiペディア)
記事投稿:池田