2023年08月31日

偏微分

今まで微分について何度か話をしてきましたが、微分をする関数については、すべて変数が一つ(例えばx)だけの場合でした。
科学の世界で、微分を使う場面は多岐にわたりますが、必ずしも変数が1つだけとは限りません。(複数の変数を扱う場合が圧倒的に多いです…)
今回は、変数が複数ある関数を微分する「偏微分」の計算方法について簡単に話をしたいと思います。

偏微分とは? 多変数関数を「特定の文字以外定数とみなして」微分したもののことです。

例えばf(x,y)= x ^2 +xy を例にすると、xを変数、yを定数として計算しますので、f(x,y)= x ^2 +xyという関数のxについての偏微分は 2x+yとなります。

これを、記号を使って表すと以下のようになります。(変数xの偏微分)

偏微分1.png

今度は、同じ関数を変数yについて偏微分してみます。その際はx^2を定数と考えて

偏微分2.png

さらに、xy両方とも偏微分する際は、xの偏微分の結果をさらにyで偏微分します。

偏微分8.png

xyの計算の順番を変えても同じく

偏微分4.png

となり多くの場合、結果は同じになります。

計算の仕方が判ったところで、実際の計算の例を挙げてみましょう。
皆さんが高校数学を学んだ上で、最初の頃に悩んだであろう「平方完成」の問題…

偏微分5.png

上記の式を「平方完成」させると 

偏微分6.png

となりますが、これを偏微分を使って解くと、もっと簡単に解くことができます。

偏微分7.png

として、連立方程式を解くと、x=8, y=-5 が得られるので、元の式に代入することで、最小値 -35 が得られます。

この例自体は、単なる数遊びで「だから何なんだ!」と思われる向きもありますが、複数の変数を持つ現象に出会って、それを解析する際には、「偏微分」という方法を使うことによって、「変数要素それぞれの解析ができ、それを重ね合わせることで、全体の解析が可能になる」と言うことを知ってもらえれば、良いと思います。


記事投稿:池田

posted by towa at 14:32| まめちしき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年08月30日

ダイオードの種類と用途について

電子デバイスの一番基礎となるダイオード
各ダイオードの特徴を簡単にまとめてみました

① 整流用シリコンダイオード

・耐圧が高い。
 →高耐圧なので、高圧AC電源の整流などに対応可能

・逆電流IRが小さい。
 →逆電流に敏感な回路の保護など

・順方向電圧VFが大きい。
 →低電圧駆動を必要とする回路には使えない
 →大電流がでは、損失が大きくなる。

・逆回復時間trrが長い(数10μs~100μs程度)。
 →高速のスイッチングには不向き

② スイッチングダイオード

・逆回復時間trrが短い。
 →高速スイッチング回路に対応

・逆電流IRが小さい。
 →高い逆電流が流れる回路に使えない

・順方向電圧VFが大きい。
 →汎用整流ダイオードと同等で、低電圧駆動には不向き

③ ファストリカバリダイオード

・逆回復時間trrが非常に短い。
 →高速スイッチング回路に対応

・逆電流IRが小さい。
 →高い逆電流が流れる回路に使えない

・順方向電圧VFが大きい。
 →汎用整流ダイオードと同等で、低電圧駆動には不向き

・高電圧にも対応
 →500V以上の高圧に対応する製品もある

④ ショットキーバリアダイオード

・順方向電圧VFが小さい
 →低電圧駆動が可能(0.2V程度から)

・逆回復時間trrが非常に短い。
 →高速スイッチング回路に対応

・耐電圧が低い
 →高圧回路には使えない

・逆電流(漏れ電流)IRが大きい
・他のダイオードよりも一般的に高価

③ツェナーダイオード

・逆電圧VRを印加し、徐々に上げていくと、ある電圧で急激に逆電流IRが流れるダイオードで、定電圧を取り出すために、使用される

*弊社では、TOSHIBA製品をはじめ、各ダイオードメーカーの製品紹介が可能です。
メーカー問わず、お問い合わせをお待ちしています。


記事投稿:池田

posted by towa at 14:04| まめちしき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

タコ釣りに行く!

先日、取引先の社長さんがタコ釣りに誘ってくれました。遊漁船に乗るのは今年の5月以来2度目の経験ですが、タコ釣りと聞いて、もしも釣れた時は、手で触るのが気持ち悪いなぁとか吸盤が手にくっついてくるのも対処できるかと多少心配がよぎりましたが、せっかくなので行かせてもらいました。

朝は早いです。AM3:40起床、4:15自宅出発、5:00ボートパーク到着、5:30出船でした。遊漁船のスピードは結構速く、1時間ほどで松山沖で釣り開始です。竿、リール、仕掛け一式は社長さんから借りました。

仕掛けを海に投入し、1時間もしないうちに巻き上げたときに竿がとっても重くなりましたが、魚のアタリとは全く違い、完全に地球を釣ったと思いました。船長がそばを通ったので根がかりしたー!と言いましたが、竿の感触を確かめて、巻いて下さい!根がかりだと思っても負けずに巻く!そういう釣りです。と教えてくれました。借りた竿(多分高級品)が折れてはいけないのでヒヤヒヤしながら巻いて巻いて・・・負けずに巻いて・・・。
釣れました!濃い赤色のタコが!!海面まで上がったタコを船長に網ですくってもらいました。

船上にあがったタコは8本の足を使って逃げ出そうと必死です。こっちは気持ち悪いのでちょっと触りたくなかったのですが、なんとか頭をつかみ、目と目の間をハサミでグサッと刺して中の神経を切りました。この方法はやはり社長さんに教えてもらったのですが、うまくいくと色が赤から白に変色し、タコの足も動かなくなります。でも初心者なので3本の足がまだ私の手にくっついてきます。なんとかやり直しうまくいきました。
その後も順調で結局5ハイ釣りあげました。初めてにしてはまずまずの成果で大満足でした。
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タコは結構高級らしく、普段なかなか食べないのですが、歯ごたえ十分でとっても美味しく頂きました。




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お誘い頂いた社長さんに感謝しております。


記事投稿:竹内



posted by towa at 13:22| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年08月25日

台湾人Tシャツ

今朝のワンコの散歩中に齢60代後半の一人散歩する男性が私の目を引きました。
着ている真っ黒のTシャツは白文字で「台湾人」と大きくデザインされています。
台湾と日頃からビジネスをしている私に、声を掛けてくれ!と言わんばかりです。

「おはようございます。台湾の方ですか?」つい、声を掛けてしまいました。
「違います。コロナ前に台湾に行って買ったので着ています。」

台湾の方ではないことは分かっていますが、切り出しとしてはなかなか良かったです。
その男性はにこにこして50年前に行って、2回目の台湾がコロナ前だったと話しました。

50年前、台湾はまだ戒厳令の時代だったと言われたので私もそうですね、「蒋経国(総統)」の時代ですねと。
民主化前の台湾は外省人(戦後中国から渡った人、その子孫)と本省人(第2次大戦前に住んでいた人、その子孫)との対立で
戒厳令が敷かれていました。多くの本省人が殺害され、分断の台湾の時代でした。

本省人とは西暦1600年以降、第2次大戦前までに中国大陸から渡った人、その子孫です。まさしくこの方たちが台湾を
代表するTシャツの「台湾人」だろうと思います。

蒋経国総統の後の総統が「台湾民主化の父」と呼ばれる李登輝(2020年没)です。今の民主的な台湾があるのは
李登輝のお蔭です。2020年に亡くなったタイミングで私も著書を2冊拝読致しました。

さて、黒Tの男性は、コロナ前の旅行で日本語ができる台湾の方に街で助けてもらったなどいろいろお話をされました。

おっと!これ以上、朝から話をしていると会社に遅れると思い、失礼させてもらいましたが、その男性は、私に
「また、声を掛けて下さいね~」と言って逆方向に歩いて行かれました。


記事投稿:竹内

posted by towa at 10:27| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年08月10日

三角関数②(グラフを描いてみましょう)

三角関数のグラフを描いてみましょう。sinθ(θ=0→4π)cosθ(θ=0→4π)のグラフは下記のようになります。

三角グラフ1.png
                                    Fig1

三角関数は、この様なグラフとなることから、電波交流信号など、波状の物理現象を表せる関数となります。
三角関数同士を計算することによって、複雑な形状をした波を分析して、関数として導くことが可能です。

ここで、三角関数同士を計算して得られる波の例を挙げてみます。
3通りの三角関数を足した 3sinθ+cos3θ+1/3sin3θ のグラフを描いてみると

三角グラフ2.png
                                                                                                Fig2

一見複雑な波形も、三角関数で解析・表現することができることが判ります。

*グラフはExcelで簡単に書けますので、式を組み換えて試してみると面白ですよ!
三角グラフ3.PNG

この様に、どのような波形を持った関数(現象)も三角関数の組み合わせで解析できることを発見したのフーリエというフランスの数学者です。(Link:ウィキペディア)

この人の名前をとった「フーリエ級数展開」「フーリエ変換」といった手法は、波に及ばず、すべての物理現象の解析に役立つ重要な手法となっています。

実際のフーリエ変換はかなり難しいです(大学初年度程度の数学の知識が必要)が、興味があれば、挑戦するのも面白いかと思います。



記事投稿:池田
posted by towa at 13:51| まめちしき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする