2022年07月29日

ブール代数②

前回に引き続き、ブール代数です。
今回は、実際に論理式を使って、回路を組んでみます。

回路記号は、アナログ回路と違い、MIL記号をつかます。基本的なMIL記号は、NOT・AND・ORの3種類です。(XOR・NAND・NORなどもありますが、基本的に前出の3種類で表現できます。

それでは、実際に真理表から論理関数を導いて、論理回路を組み立ててみましょう。
下記の様に、A・B・Cの入力の結果を表した真理表があるとします。

boo110.png

この真理表から、この真理表の表す論理関数 f(A,B,C)を導きます。

Z=1となる行に注目して、0,1を変数文字のtrue,falseに置き換えてみます。

bool11.png

これを論理和(+)記号で結ぶと、論理関数式となりす。

bool12.png

今度は、この式を変形していきます。

bool13.png

ここで、変数A,B,Cは、和(論理和)積(論理積)の形で表せることが解ると思います。
()の中は、論理和になっていますので、これをMIL記号で表現すると・・・

bool14.png

Aと()の中は、積(論理積)の関係がありますので、合わせて表現すると・・・

bool15.png

このように、真理表から、実際の論理回路を組み立てることができます。

入力の変数が多くても、論理関数を組み立てて、変形することにより、同様に論理回路を組み立てることができます(計算は若干複雑にはなりますが・・・)

論理デバイスは、安価なものが多く(単機能製品は)比較的簡単に手に入ります。
プレッツボードや、ユニバーサル基板に組んでみて、簡単な回路から実験をしてみるのも面白いと思います。


記事投稿:池田

posted by towa at 15:55| まめちしき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年07月25日

我が家のIOT

久しぶりの更新です…。
気が付けば梅雨も明け、真夏の猛暑がやってきました。
我が家には爬虫類がいるため、温度管理に神経を使う季節です。
IMG_20220719_222245.jpg  IMG_20220723_153326.jpg
ブログを更新する間にチャコは2回ほど卵を産み、
IMG_20220718_171609.jpg
ケージの掃除後、半蔵は隙間に挟まっています。

毎年季節の変わり目や夏場はビクビクしながらエアコンを付けて出勤していましたが
今年は遠隔で社内から温度管理を出来るようにしました。最近よく見かけるIOTの導入です。
爬虫類は暑くても寒くてもいけない、非常に繊細な生き物です…。

このブログをご覧の皆様は「IoT」という言葉をご存じでしょうか。
IoTは"Internet of Things"の略でモノのインターネットと訳されています。読み方はアイオーティーです。IoTとはインターネット経由で通信することを意味します。

モノをインターネット(Wi-fi)経由で繋ぎ、繋いだモノをクラウドを経由して遠隔操作します。

では具体的に何が出来るのかというと、
・離れた場所の環境、状態(温湿度、窓の開閉、明かりの有無など)を知る
・離れた場所の機械の操作(エアコン、スイッチを付ける、窓を開け閉めする)
・離れた場所でデータの送受信をする(データを手元のスマートフォンに送る)
など、多岐に渡ります。
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今はマルのついたあたりに温度計とハブを置いています

我が家の場合は爬虫類ラックに置いた温湿度計のデータをスマートフォンに送り、エアコンを別のスマホアプリで操作して温度調節をしています。(本当は一つにまとめる事も出来ますが、我が家は分けて操作しています)
また、温度が上がるとスマートフォンにアラームが入るよう設定しています。
こんな感じに温度データは蓄積できます。エアコンは別アプリで動かしています。

自宅にインターネット環境(Wi-fi)と専用の機械があれば、意外と簡単にできました。快適な生活のため、取り入れてみたらいかがでしょうか。


投稿:渡辺

posted by towa at 13:42| 生き物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年07月22日

ブール代数①

「1と0」の2つの数字だけを使った数学に「ブール代数」というものがあります。
電子回路に置いても、ディジタル回路を理解したり、回路構成を考えたりする際に、このブール代数の考え方が重要で、論理回路設計の基礎となっている考え方の1つです。

ブール代数は、イギリスの数学者 「ブール」 が提唱した記号論理学のことです。
真(true)と偽(false)だけ(1と0だけ)を対象とした代数ですので、演算には1と0だけしか出てきませんが、四則演算とは違い、AND(論理積)・OR(論理和)・NOT(論理否定)等の「論理演算」を行います。(+・×等の演算記号は使いますが…)

ブール代数は、ディジタル回路を数式で置き換える事により、代数計算により結果を導くことができるため、ディジタル回路設計を進める上で、不可欠な理論となります。

さて、ディジタル回路をブール代数でどの様に表すのかを見てみましょう。
下記に、ディジタル回路の基本要素である。AND(論理積)・OR(論理和)・NOT(論理否定)についてMIL記号と真理表(回路の入力の組み合わせと結果の一覧表)も併記して記載してみました。


AND(論理積)
f(A,B)=Zとして


  論理式 f(A,B)=A・B

論理積の式には、掛け算(×・)を使います。
真理表を見るとわかる様に、A,Bそれぞれに0,1を代入した結果Zが、積(掛け算)として表されています。


OR(論理和)
f(A,B)=Zとして
bool2.png bool2-2.png

 論理式 f(A,B)=A+B

論理和の式には、足し算(+)を使います。
真理表から、A,Bそれぞれに0,1を代入した結果Zが、和(足し算)として表されています。

通常の四則計算と違うところは、1は真(true)を意味し1+1=1となり、2とはならないことです。

NOT(論理否定)

f(A)=Zとして
論理式 f(A)=bool4.png

論理否定の式には、記号の上に―(バー)を付けて表します。
0は1に、1は0(否定)として表されます。

式の計算は、四則計算とほとんど同じ法則が成り立ちます。
下記は、代表的な法則です。
Boolean-algebra-theorems.gif
特に難しい法則は無いです。しいて言えば―(バー)の付いた法則が、あまりなじみがないかもしれません。
この法則を使うと、真理表を導いたり、真理表から回路を組み立てたりする作業か楽に行えます。

実際の例は、次回にでもご紹介しようと思います。


記事投稿:池田
posted by towa at 15:21| まめちしき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする