「4次元」と聞いて、何を思い浮かべますか?
ド○○○んの「4次元ポケット」?
時間を超えられる「ワープ航法」?
それとも、「何だか訳が分からない、不思議な空間?」といったイメージでしょうか?
上記の様にとらえてしまうのは、SF等の影響で「我々の世界には存在しない何か」という概念が定着してしまっているからではないでしょうか。
4次元(も含む多次元)は、その言葉の定義を考えれば、決して不思議ではなく、我々の生活の中にも見い出せるもっと身近な物(の考え方…)なのです。
物理的な4次元と数学的な4次元(多次元)は、若干ニュアンスが違っていますが、基本的な考え方は同じだと思っています。
数学的4次元(多次元)の方が、直観的に解り易いので、例を挙げながら少し考えてみたいと思います。
まず「次元」の意味ですが、これは数学では「変数」と考えることができます。
例えば変数がxという1つしかない場合は「1次元」(長さしか変化しない円で言うと直径の事ですね)変数がx,yの2種類ある場合は「2次元」(面積の事です)x,y,zの3種類ある場合は「3次元」(体積=立体の事ですな!)と表現します。
同様に変数が4種類ある場合も考えられるわけで、変数がx,y,z,uの場合は「4次元」と呼ばれる訳です。
数学では1次元も4次元も(さらにn次元も)単純に「変数がn個」あるとだけ考え、特別な扱いはしません。
ですから、「円」を例にとると、直径・円の面積・球の体積を計算できるのと同様に「4次元球の体積」(表現のしようがないのでこう書くことにします・・・)も計算することができます。
極座標上に在る三角関数cosθを積分すると
になります。 上の式は
と、書くこともできるので・・・
V1を半径rの円の直径=2rと考えると、下記の様に表すこともできます。
*半径rの円の面積=V2を積分で求めると
**同様に半径rの球の体積=V3を求めると
***同じ手順を繰り返せば、4次元球の体積=V4が求められるはず! です
(この結果は、x,y,z,u空間の4重積分及び置換積分を実行したことになるのですが、少し難しいので、興味がある人は挑戦してみてください。 大学数学レヴェルです~)
数学では、初めに書いたように、「次元」は特別なものではなく、「4次元」は単に「3次元」の次の事象に過ぎないのです。
「4次元」が少し身近に感じられたでしょうか?
例えば、こんなことも考えることができます…
あなたは、3次元空間(変数)を自由に移動できる生物ですが、もう一つの次元として「おなかがすいているかどうか」という次元(変数)を追加してみます。
すると、あなたは3次元の自由の他に「おなかがすいた」次元を持った、4次元(変数)の世界に生きる「4次元生物」と考えることができます⁉。(厳密には間違えだけど、数学的な考え方としては、そういう事)
とはいうものの、実際に我々の生活している物理空間では、数学の様に簡単にはいかないようです…
次では、実際の物理空間での多次元について、判らないまでも考えてみたいと思います。
記事投稿:池田