実際に微分はどう使われるのでしょうか? 簡単な例を挙げてみましょう。
まずは、ぱっと見解りやすい図形です
ここに半径rの円があるとします。この円の面積SはS=πr^2で表せることは、皆さん知っていますよね?
それでは、この円の円周は?
これを微分で表すと下記の様になります(微分をすることを ‘ (プライム)で表すこととします)
皆さん良く知っている円周の公式 円周=2πrになります。
他の例として…
例えばあなたが1台100万円の機械を生産しているとします。
その機械の利潤を考えたとき、利潤:α= 100Y-(2Y^2+20Y+100)で表せることが解りました。()の中は、機械生産に掛った総費用とします。
さらにまとめて
これを、グラフで表すと下記の様になります。
1台だけだと赤字。2台目以降から利潤が出ますが、ある一点から利潤が下がっていくのが判ります。このことから、設備投資や人材に投資をしないと、利潤が頭打ちになることが解りました。
さて、現状の設備・人員では、何台作った時に最大の利潤が出せるのでしょうか?
そこで、上記の式を微分してみましょう。微分をすると言うことは、ある時点での変化量(傾き)を計算することでしたよね?
つまり、傾き=0になる台数Yが最大の利潤が出せる台数になる訳です。
式で表すと。
この式により、Y=20の時に傾き=0となることが解り、最大利潤を出すには20台生産すれば良いことになります。
このように、微分を含んだ等式の事を「微分方程式」と言います。この例では、右辺が定数(しかも0という解り易い式ですが)等式の辺に関数を含む場合も当然考えられます。
この「微分方程式」は世の中のありとあらゆる現象を解析するのに用いられています。
例えば、物理現象の解析はもとより、ロケットや人工衛星の軌道計算や、台風の進路予想、道路の渋滞予想など、我々の実生活の中に溶け込んでいるといっても過言ではありません。
このブログの中で、数学に関する記事をいくつか書いてきましたが、すべて、「微分方程式」の解を求めるのに必要な知識です。(eもlogもπも三角関数や虚数もです)
少しでも、興味を持たれたら、簡単な解説書を手に取ってみてください、私が説明したよりもっと興味深い知識を得ることができるでしょう!
記事投稿:池田