今年の夏は、いつもより前線の活動が活発で、大雨が降るケースが多いように思います。
これも温暖化の影響なのでしょうか?
また、大雨で被災された方、お見舞い申し上げます。
さて、「前線の活動が活発になっていて」という言葉を報道でよく聞きますが、そもそも前線とはどういうものなのでしょうか?
前線とは、一言で言ってしまえば、「暖かい空気」と「冷たい空気」の境目です。
北半球では、北極に近い北に冷たい空気の塊が、赤道に近い南側に暖かい湿った空気の塊があり、ちょうど日本のある温帯域でぶつかっています。その境目を前線と呼んでいるのです。
前線は反時計回りに移動しています(北半球では)また、暖かい空気と冷たい空気どちらが優勢かということにより、前線の種類が決められています。
温暖前線:
暖かい空気が優勢で、冷たい空気を「押す」様に移動しています。
温暖前線が近づくと、気温・湿度が高くなり、気圧は下がります。降水の範囲は前線から300km程度で、前線に伴う雨は、通常、絶え間なく降水の強さもあまり変化しない事が多いとされます(しとしと雨)
寒冷前線:
冷たい空気が優勢で、温かい空気の下に潜り込むように移動しています。
寒冷前線が近づくと気圧は下がり始め、気温と湿度は前線の通過後に急激に下がります。
降水の範囲は数10~100km程度と温暖前線に比べ狭いですが、前線に伴う雨は、雷や雹・突風などを伴い、急激にひどくなる事もあり注意が必要です。
停滞前線:
暖かい空気と冷たい空気の勢力が拮抗している場所に発生します。
前線の動きが遅く、長時間雨が続き災害の引き金になる場合があります。梅雨や秋の長雨に時期によく見られますが、季節を問わず現れます。
直近の豪雨災害(台風除く)では、この前線が影響したケースが見られます。
その他に、寒冷前線が温暖前線に追いついて発生する、閉塞前線 等があります。
上記の様に、前線の種類によって、雨の降り方に特徴があります。天気図や天気予報で、どのような前線が近づいているのかを知ることによって、降雨災害を予測して準備をすることが可能になるのではないでしょうか?
皆さんも、天気予報を見る際に、参考にしてみてください。
記事投稿:池田