2021年06月17日

ラジオの原理③

さて、いよいよ音を出す段階になります

音を出す装置として、「クリスタルイヤホン」が一般的でしたが、現在は作られておらず、代替えとして「セラミックイヤホン」を使います。

クリスタルでも、セラミックでも、電圧をかけると、機械的なひずみを発生する素子が内蔵されています。素子の振動を薄膜に伝えて、音として再現するのです。

ダイオードで検波された電波は、周波数が高く、そのままでは人の聞こえる音にはなりません(数100KHzありますから…)
しかし、セラミックイヤホンは、キャパシタとしての機能も持っており、その機能が人に聞こえる音として再現させます。
交流(この場合検波された電波)が通る際に、電波の大きな変化をだけを拾い、音の周波数に変換してくれます。

earphone1.JPG

セラミックイヤホンの代わりに、テレビなどで使うイヤホン(ダイナミックイヤホン)を直接付けても音は出ません。
これは、ゲルマニウムラジオの回路が持っている「インピーダンス」が、ダイナミックイヤホンの「インピーダンス」と合わないために起こります。
・回路のインピーダンス=数10KΩ~数100KΩ
・ダイナミックイヤホンのインピーダンス=8Ω、32Ω等

●インピーダンス●

インピーダンスは、交流による「電圧と電流の比」で直流回路による抵抗値と同様に、単位はΩです
インピーダンスは、回路の構成素子(RLC)の値以外に、交流信号の周波数によっても変化します。

インピーダンス.JPG

そのため、素子のインピーダンスが数KΩ以上と、高いセラミックイヤホンが必要になるのです。

さあ、回路図を見ながらゲルマニウムラジオを組み立ててみましょう!
●アンテナ線(被覆ビニル線が良いです)を5m以上つなぎましょう。
アースは出来るだけ取った方が音量が大きくなりますよ。

組立図.JPG

実際に自分で組み立てて、音が出ると、結構感動しますよ! その際に基本的な原理を知っているとさらにです。

ゲルマニウムラジオで、ダイナミックイヤホンを使うにはどうしたらいいでしょう?また、スピーカーを鳴らすことは出来る?
皆さん考えてみてください。


記事投稿:池田

posted by towa at 09:46| 初心者電子工作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする