時刻を表すには、時間の基準になる電気的な振動を発生する必要があります。
この電気的な振動を発生させるデバイスの1つが水晶振動子や発振器です。
「水晶振動子」は、電圧をかけることにより一定の周波数で機械的に「振動」します。
この振動を電気信号として取りだせるようにしたものが「水晶発振器」と呼ばれるものです。
水晶(crystal)」は人工的に作られた石英の結晶で、切り出される形状や方向で振動する周波数が決まります。
さて、時刻(時計)を表示するために使われる振動子の周波数の代表的なものに、“32.768KHz”があります。なぜこんな半端な周波数が使われるのでしょうか?
32.768KHzというのは、「1秒間に32768回振動」すると言うことですので、逆に言えば、「32768回の振動をカウントしたら1秒」ということになります。
以前ブログで書いた、2進数で考えると32768=1000000000000000(2進数)となり16bitの場合、「一番左が“1”になったら1秒」とできるため、ディジタルでの信号処理が簡単にできるのです。
では、8bitや32bitでもよいのでは?と思いますが、切り出す水晶の大きさや、精度を考えた場合、16Bit幅とするのが一番適当であることから、32.768KHzという周波数がスタンダードになっています。
水晶振動子は、切り出される形状・方向で固有の周波数が決まってしまいますが、可変容量のダイオードを接続して、発信周波数を変えることのできる、電圧制御水晶発振器 (VCXO)といったデバイスも存在します。
水晶振動子・発振器は、時刻を作る他にも電子デバイスの動作タイミングをそろえるための「基準クロック」として使われたり、特定の周波数の信号を通過させたりノイズを除去するための「フィルター」として使われたりと、用途は多岐に及んでいます。
弊社が取り扱っている新日本無線では、発信周波数安定化用ICや、VCXO用逓倍IC等を取り扱っています。
水晶発振子等のご紹介もできますので、お問い合わせください。
記事投稿:池田